相手を説得するテクニック 「コントラストの原理など」

 

※今回参考にさせて頂いたもの

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

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これまで沢山の本に出会ってきましたが、

「影響力の武器」を自分なりに記事していく作業は特に興奮しました!!

めっちゃ面白かったです。

この本を読んでいた当時、丁度営業の仕事に携わっていたので使おうか悩みました・・・。

でもやっぱり、性格上騙す側はできないと感じたので、

いかに騙されないか?気をつけていこうと思いました。

 

意外と身近で使われている説得テクニック達

 

コントラストの原理

 

コントラストの原理とは

例えば、

始めに軽いものを持ち上げて、次に重いものを持ち上げると、
2番目の重いものだけを持ち上げたときよりも重く感じてしまう。

最初に魅力的な人と話をして、次に魅力的ではない人に会ってしまうと、その人が実際以上に魅力が無いように感じてしまう。

つまり同じものであっても、その前に起こった出来事次第で全く違ったものに思える現象のことです。

 

 

実はこのコントラストの原理は、身近でよく使われているものなのですが、そんなこと急に言われても中々ピンとは来ませんよね。

しかしそれもそのはずです。
このコントラストの原理は比較的簡単に誰でも扱え、機能させられる。
その場面を自分の為に組み立てているという形跡を全く見せずに、その武器を利用することができてしまう。
そしてうまく機能してしまえば、中々気づくことはできない・・・。

そう。故に悪用されないとも限りません。

 

 

例1

あなたが紳士服の店員さんだとしましょう。
スーツとシャツを探し求めてるお客様が来店しました。

ではこのとき、スーツとシャツのどちらを先に見せれば両方買わせることができるでしょうか?
お分かりの方も居られるでしょうが、紳士服の販売店では高い品物を先に買わせるように指導しています。

まずは高いスーツを買わせる。(ここでコントラストの原理が働く)
するとシャツを選ばせるときに、比較するほど高くはないように感じさせることができるのです。
(その他、靴やベルトやセーターにももちろん使えます)

 

例2

自動車を買うときにもコントラストの原理はよく見られます。

新しい車の売値を決めてしまってから、最新のオプションを次から次に勧めてしまうのです。
何百万という取引の後ならば、最新の付属品に払う数万円は取るに足らない額に思えてしまう

一見すれば些細な額のオプションを加えた場合でも、
最終的な価格は跳ね上がってしまうというのにも関わらず・・・。

つまり、コントラストの原理を使えば
先に提示する商品の価格次第で、同じ商品の価格を高くも安くも感じさせることができるのです。

 

 

「カチッ・サー」

 

「カチッ・サー」とは

頼みごとをされる際などに、例え理由らしい理由を述べていなくても、自動的に頼みを聞いてしまう現象のことです。

 

例1

例えば、
あなたはコンビニにあるコピー機を利用したいが、行列ができてしまっています。
とにかくすぐにコピーを取らなければならないのですが・・・。

このとき、
「先にコピーを1枚取ってもいいですか?」
など言っても、相当優しい人達ではない限りは、先にコピーを取らせてはくれないでしょう。

しかし、
「急いでコピーを取らなくてはいけないので、1枚だけコピーを取らせてくれませんか?」
と言えば、成功率がかなり上がることが分かっているのです。

「~ので」という単語は非常に強力で、これがあるだけでもかなり違います。

 

例2

例えば、
私たちは権威がありそうな人が言うこと、あるいは指示をそのときの衝動で受け入れてしまう傾向があります。

仮に相手が「専門家」であった場合、この「専門家」という肩書きだけで判断してしまったり、

相手の発言の内容など問題視することなく、ただ納得して同意してしまうこともあります。

要するに、
専門家の話を聞いた(カチッ)
だから納得して同意した(サー)

です。

 

「高価なもの=良質なもの・・・?」

 

 

現代社会の進むスピードはとても速く、その為私たちは私的な重要事項であっても、十分に考えて決断をすることが難しくなってきていると言われています。

上記の「カチッ・サー」という自動的な反応を利用し、使いこなす人は沢山居ます。

販売店では売れにくい商品ほど、価格をかなり釣り上げることによって捌こうとします。
実際、これが物凄く効率が良いとされているのです。

その理由は、
あまり疑おうとする人が居ないことと、
「高価なもの=良質なもの」という意識が強いからです。

商品に「値下げ」の付いた札を付けてあげれば・・・あら不思議。
最初の価格で売れてしまうのです!

 

これらはまさしく、
「高価なもの=良質なもの」という反応を利用していて、更に
「あ、高価なものだ!(カチッ)」
「値下げされてる!買おう!(サー)」
の効果も働いてるからこそ起きているのです。




本心と周りへの悪影響

父親の本心を暴く

~「娘の為に」という名の暴走~

 


「ただ娘の為に最善を尽くしたいだけなのだ」
と、夫は何度もこう語っていました。

しかし、それはです。
妻と、そして自分を欺いているのだから。

夫の本当の目的

夫は心から娘の幸せを願っていると思い込んでいたようですが、実は周囲に対して、
”娘の将来を熱心に考えている父親”なのだと印象付けたいが為に最善を尽くしていただけ。

本当に夫が望んでいたものは、
娘のオールAという成績だけだったのです。

 

この手のタイプの人は、望んできたものは必ず手に入れてきたような人物です。
自分は常に正しく、自分の方法こそ唯一の正しい選択だと信じきっています。

そしてこの手の考えの持ち主は、仕事では中々のやり手であることも多い。

 

 

参考

しかしそれを完全主義だと評価するのか?
もしくは強引で押し付けがましいと評価するのか?
反応は人によって当然違ってきます。

 

いつも自分の流儀を押し通し、譲歩や遠慮を知らない。
望みのものを手に入れるまで突き進むタイプではありますが、時にはそれが良い結果となることもあるでしょう。

しかし、この夫のように
突き進んでいいタイミングを誤ったり、状況を読み違えてしまったり、
控えなければならない場合にも関わらず、言動が激しさを増してしまうのは危険です。

また、家族では夫のイメージが常に反映されるものだとも考えています。
周りから見て、娘の印象がよければ父親のイメージも高くなるだろうし、
それなら娘は、父親のその良きイメージを周囲に伝えるのが義務なのだと決め付けていたのだから。

 

つまり、
「自分が周囲の目から、どう映っているのか?」
とにかく自分のイメージを気にしていたのです。

そんな強い思いがあるのにも関わらず、人の考えなど蚊帳の外。

とにかく自分のことだけ没頭します。

つまり、

彼が心から娘を思いやることなど、無理な話だったのです。

ここで妻や娘を苦しめたのは、
夫の思いやりと気遣いに隠れた攻撃です。(潜在的攻撃性とも言います)
隙あれば、自分の考えを誰にでも押し付けていた夫の行動が、問題を引き起こしていました。


表面上はいい父親を演じてはいますが、無意識に感情的な支配を家庭に及ぼしてしまっているのです!

 

因みに・・・

娘は毎晩、同じ悪夢にうなされているそうです。
その夢は、誰かが父親を傷つけようとしている内容でした。

その理由は、娘は無意識のうちに、
「父親を傷つけたい」 「死んで欲しい」
と願っているから。

娘は娘で父親の無慈悲には本能的に気付いてはいますが、
父親に正面からそんな気持ちをぶつけられるタイプではないのでしょう。

夢の中であれば、心置きなく自分の感情をさらけ出せる

おそらくそういうことなのでしょう・・・



では何故妻は支配されてしまったのか?

 

 

妻自身、心の内では夫の理不尽に気がついてはいたはずです。
なのにどうして彼女は夫に操作されて、夫の考えに同調していったのでしょうか?

二人は夫婦です。
実は夫は、妻が口にしそうな反対意見を黙らせる方法を心得ていました。

 

例えば

妻が主婦や母親としての義務をないがしろにした際に、自分を責めてしまうタイプなら、
方法は1つです。

自分にあれこれ指図することは、娘の幸せを否定することなのだと思わせれば良い。
妻の目に、父親だけが娘を心配している場面を映せば、
「自分は娘の幸せはどうでもいいのだろうか?最低な母親ではないのか?」
と考えるようになります。

つまり、夫は極めて効果的な手口を使い、自分の言動は当然のものとして振る舞っていました。
そんな自分に反抗するのは過ちなのだと、妻を納得させていたのです。

自分自身や家族全員に対して、自分勝手な”企て”を合理化させていたんですね。
この合理化によって、妻に「夫のように、娘に同じ愛情を注いでいない」と思い込ませる十分な説得力をもっていました。

 

まとめ

  • 成績優秀な娘に育て、自分のイメージを上げる
  • 娘の幸福など本当は望んでいない。ただ単に自分の欲望を満たそうとしているだけ

 

 

このことから私達が学べること

 

1分間だけでよかった。

「自分こそ、問題の張本人なのだ」
こう彼が認めることができていれば、やり直すチャンスがあったかもしれません。

夫というマニピュレーターが支配する家庭では、娘の精神科でのカウセリングでの治療法も失敗でした。

 

覚えておこう

マニピュレーターを相手にする時は、
Win-Winの関係に持ち込むシナリオを組み立てることが重要となってきます。

決して、彼らに敗北感を抱かせてはならないと肝に銘じておきましょう




勝つことにこだわる父親

ではまずは一例として、
とあるご夫婦の話を夫目線でご紹介します。

自分の思いに固執する家族が一人でも居るだけで、
心のそこから家族を思いやり、気遣っている人がどれだけ苦しみを被ってしまう
のか、理解して頂けるかと思います。

 

 

とにかく勝つことにこだわってしまうと・・・?

最近娘の様子がおかしい。

激しく苛立っていることもあれば、頑なな態度も見受けられる。
勉強の成績に至っては目も当てられない。

年頃の娘にはよくあることなのだろうと、妻と良く話してはいるのだが、
私の娘の場合は、特にそれが尋常ではないように思えてきている。
大事な一人娘なこともあって、とても心配だ・・・。

「なんとかしたい」
そう思い、これまで色々と手を尽くしてきた。

妻は、「プレッシャーに押しつぶされたのが原因」だと、度々オレに言っている。
しかし、問題はそんなに単純ではないのが俺の答えだ。

妻は何も分かっていない。

俺がどれほど娘の将来を案じているかお前には分からないだろう。
子供の幸せを本気で考えるのなら、
解決策が見つかるまで手を尽くすのが親なんじゃないのか?

先日、娘が”B”と記された成績表を持って帰ってきた。
娘はしかも、その結果の心配のあまり、「私は学習障害ではないか」と教師に連絡したとも言う。

オレは念のため、娘に検査を受けさせるべきだと教師に訴えた。
しかし、教師はそれを拒んだ。
「娘さんはうまくやっています。他のクラスメートとさほど変わらない、普通の子ですよ」と。

ふざけるな。
オレが娘を気に病んでいるのは、娘の幸せを常に願っているからで、それを妨げるものは取り除いておきたいからなんだ。
もうこの教師は信用できない。

娘を転校させるしかない。

この決意を妻に打ち明けると、妻は激しく反対した。
だが、オレの決意は固い。
自分たちに残された選択は、学校を変えて無関心な教師から娘を引き離すことだ。
新しい学校なら、両親の意見や心配事にも耳を傾けてくれるはずだから。

しかしいざ転校しても、成績は上がらなかった。
そして何故か、娘の反抗的な態度もぶりかえされ、今度は些細なことでイライラするようになっていった。
特に、私と一緒にいるときが特にひどい気がする。
何か手を打たねば・・・。

私は評判の高い、とある精神科クリニックに相談することに決めた。
娘と両親みんなで来るように言われた。
娘の為ならば父親の私は、なんだってやってやる。

カウンセラーの先生が言うには、
「娘さんは自分をひどく追い詰めている」
「娘さんの怒りは、特に期待ばかり押し付けるお父さんに向けられている」
とのことだった。

・・・話にならん!
カウンセラーの話は間違っている。
オレが間違っているワケないだろう。

おそらくアイツは心理学オタクなんだ。
悪気はないだろうが、娘のことは分かっていない。
少なくとも、オレのように娘のことは理解していないのだ。

翌日、オレはようやく問題の解決策を思いついた。

まずは最新のコンピューターと学習ソフトを買い込んだことを二人に告げた。

これなら毎日娘と家で二人きりで勉強できるし、そうなれば成績も上がるはずだ。
クリニックに通う費用を無くせば、学習ソフトの代金に回せる。
クリニックの先生が指摘していたが、もしも万が一に娘がオレに怒りを感じているのなら、
親密な時間を毎日過ごすことで、その問題も解決に向かうはずだ。

 


「これでようやく昔の娘を取り戻せる。
やはり結局、娘のことを一番考えているのは父親である私なんだな。」

 

 

さて、いかがでしょうか?

次回はこの父親の本心と、そして家族にもたらしている悪影響を書いています。

ご興味あれば、続きをご覧頂ければと思います。

本心と周りへの悪影響

 




マニピュレーターの被害に遭う原因とは?

ではマニピュレーターの餌食になってしまう、その原因を学びましょう。

何故私達が彼らの被害に遭ってしまうのかと言うと、それらは大きく4つに分類されています。

マニピュレーター被害の要因4つ

  • 攻撃されていることに気付かない
  • 傷ついているのは相手なのだと思わせてくる
  • 普段から意識しているようで意識していない弱点を突く
  • 問題があるのは被害者自身だと思わせてくる

 

 

 

①攻撃されていることに気付かない

そもそも相手の攻撃方法は、それと分かるほど明確なものではありません。

被害にあってしまう人は、相手が自分を追い詰めて支配下におき、こちらを思い通りにしたがっていることに、薄々気づいてはいるのです。
そして無意識のうちに脅威だって抱いています。



でも、

何故相手が自分に敵対するのかが分からないんです。
客観的で明白な理由が見当たらず、自分の直感に素直に耳を傾けることができなくなってしまうのです。

 

②傷ついているのは相手なのだと思わせてくる

マニピュレーターが用いる策略は極めて効果的で、それは巧妙に仕組まれている手口です。
そしてこの手口を見抜くのは容易ではありません。

 

こんな考え方は危険!

「負い目を抱えているのは実は相手の方なのではないか?」
「単に、自分の身を守るためにやっていることではないか?」
「こちらに気を遣ってくれるあまり、あんな言動に及んだのではないのか?」

など。

私たちは一度、
「騙されている?」
「つけこまれている?」
と、疑うことはするものの、「自分の勘違いではないのか?」と、思い直してしまうことがよくあります。

なので、
被害者は無意識のうちに常に受け身に立たされています。
受け身側であるが故に、相手のかけひきは益々効果が高まっていくのです。
受け身の状態で取り乱してしまうものなら、冷静に対応することなど不可能です。

そしてこの悪循環に陥ったら最後、相手の手のうちを見抜くのは更に困難となっていく・・・。

 

③普段から意識しているようで意識していない弱点を突く

弱点や不安は誰しもが抱えているもの。
なので、マニピュレーターはその弱点に目をつけます。

ここに注意!

自分の弱点に意識的ならば、つけこまれていると気付くことができるでしょう。
しかし、自分の弱点と言うのはすぐに頭から抜け落ちてしまうものです。
私たちは、自分の一番の弱みについては無自覚すぎるのかもしれません。

マニピュレーターは、被害者本人よりも被害者の性格に通じようとしてきます。
そしていずれは、その弱点の押しどきや押し加減にも精通するようになります。

自己認識が甘いと、簡単に彼らの餌食となります。

気をつけてください。

 

④問題があるのは被害者自身だと思わせてくる

「直感のレベルでは、マニピュレーターなのだと気付いている・・・」
けれど、それが本当に正しいのかどうかは正直分からないですよね。

例えばもしかしたら、
「単なる恐怖や不安によって感じたものなのではないか?」
「それとも今自分は、情緒不安定なのではないだろうか?」
「いや、この人はただ単に自己不信に苛まれているだけか?」
と勘違いしているだけかもしれません。

そもそも人と言うのは、誰だって「自分は無神経で思いやりにかけた人間だ」とは決して認めようとはしないのです。
否定的な判断を他人に下すことはためらってしまうし、
できれば疑いたくもないし、誰も罰さずに事をおさめたい。
自分が思うような悪意など、相手は微塵も抱いていないと信じたい。

注意!

直感に従って相手をマニピュレーターだと決め付けてしまうと、多くの人は罪悪感を感じます。
そんなことを考えてしまう自分自身に疑いを向けてしまい、そんな自分を責めてしまうのです。

「相手もそうだけど、自分にもそれなりの原因があるのではなかろうか?」と。



 

さて、これらをよくよく見ていくと

被害者を含め、人が相手の術中にはまっていってしまうのは仕方の無いことだと分かるはず。

しかしかといって、マニピュレーターがやっていることは到底許されることではありません。

是非今回の4つの要因を参考にし、何か自分に思い当たる節はないか探してみてください。

 

続きの記事として、

マニピュレーターについてもう少し掘り下げる為、「勝つことにこだわる父親」について書きました。

一例としてご紹介しておりますので、興味があればご覧頂ければと思います。

勝つことにこだわる父親の話

 

 

 

また、マニピュレーターの対策を早く知りたい方は、

マニピュレーターが好む行動について書かせて頂いておりますので、コチラからご覧下さい。

マニピュレーターは、いくつか支配の仕方が異なる性質をもっているものなので、お役に立てるかと思います。

 




マニピュレーターとは?

今回学ぶこと

●マニピュレーターとは?

・心を支配しようとする

・どうしてこんなことをするのか?

・原因を悟る時

 

心を支配しようとする

 

マニピュレーターとは、

人を追い詰めることにより、その心を操って支配しようとすることを言います。

 

例えば・・・

  • 「期待しているよ」
    そう励ましながら、密かに部下の昇進を握りつぶす上司がいる
  • 「アイツが部長の悪口言ってました」
    上役に気に入られる為に、密かに同僚を陥れるヤツがいる
  • 「好きなのはお前だけだよ」
    愛を口にして気遣う夫・妻は、相手の人生を思いのままにするのが目的かもしれない
  • 「どうしてパパはいないの?」
    親の心の弱みを知る子供は、自分のわがままを押し通す為、ごく稀に親の心の急所を突くこともある

 

彼らは、表向きはとても人当たりが良く、とても穏やかであることが多い。

しかし、

その素顔は悪知恵に溢れ、相手に対して容赦をしない
ずる賢く手口は巧妙。人の弱点に付け込んでは抜け目無く立ち回る。

支配的な立場を我が物にしたいが為に、彼らは闘い続けます。

そしてその一方で、好戦的なその意図だけは、とにかく他人の目から隠そうと必死になることがよくあります。

人を貶め、相手を思いのままに支配しようとする行為は、
いかに広く社会にはびこっているでしょうか?
いかにそうした行為によるストレスが、人間関係に及ぼされているでしょうか?

 

他人を思い通りに操ろうとする者のことなら、誰もが何かしらの心当たりがあるはずです。
テレビでもおそらく見たことがあるのではないでしょうか。

 

 

例えば・・・

  • 愛と誠実と慎みの大切さを説いていたあの人は、その傍らで妻を騙して不貞を働いていた。更に、その信者から金を巻き上げていた。
  • 国民への奉仕を誓っていたあの人は、私腹を肥やしており逮捕された。
  • 精神的指導者のあの人は、自らを神の化身だと説いた。
    それに異議を唱える者には、罰を与えた。

 

このように、世間はこんなとんでもない人で一杯です。
「まさかあの人が・・・」と、興味を持ってしまうのは当然でしょう。
だけど、そんな興味に心に奪われ、肝心の注意をお留守にしてはなりません。

私たちは普段テレビなどで、このようなニュースを目にしています。
そして言うんです、「まるで怪物だな」と。

しかし、”怪物”という印象でまとめてはならないのです。

 

思い出そう!

職場の同僚や知人や家族のような身近な人達が、実は”怪物”だったりします。
悪知恵が凄まじく、陰口が大好き。
簡単には信用してはいけないんです!

 

どうしてこんなことをするのか?

私たち被害者は、どう足掻いても相手の本性が理解できません。
そしてその応じ方すら分かりません。
ただ一方的にいたぶられ、悲嘆にくれるより他はないのです・・・。

 

そして・・・

私たちは分からなくなります。

「どうして自分の気分がこれほど激しく落ち込んでいるのか?」
「アイツと向かい合うと、何故か怒りが込み上げる」
「アイツがどうしても信用できない、その理由が分からない」

分からないんだけど、猛烈な怒りを感じても、最終的に罪悪感だけ残っちゃう。

 

 

闘おうと決めたのに、結局は自分がやり込められている。
一歩も引かないと決めたのに、やはり何故か押し切られる。
断ろうと決めたのに、「YES」という言葉が口に出る。
なんとか状況を変えようと思っていたのに、何一つ変えることができない。

そんな自分に腹が立ち、そして苛立ちは増すばかり。
いいように利用されるだけで、最後は必ず辱めを受ける。

そんな日々から、いい加減終止符を打てないものでしょうか?

 

原因を悟る時

 

そんなあの人だけど、あの人の事情をおもんばかってきた。
できればそんなあの人の性格を理解した上で、どうにかしてあの人の振る舞いを正そうとした。

だけど、そんな思いとは裏腹に、何度試みてもあの人の言動は変わらない。
今日の努力も、いつも通り無駄に終わっていく・・・。

私たちはよく、こんな惨めな思いに苛まれることがあります。

しかし、実はこの繰り返しが、私たちを苦しめる原因です。

やばい人だと分かった上で、その人格を理解した上で対応しようと試みても、これという成果は得られないのです。
そればかりか、さらに状況は悪化していくことだってあります。

もう従来の方法では、解決には至らないのでしょう。
根本的に、何かが間違っているのかもしれません。

 

なので次回は、マニピュレーターの被害に遭う原因とは何か書いてみました。

気になる方は是非マニピュレーターの被害に遭う原因とは?をご覧になってください。




カバートアグレッションを撃退するには・・・

今回学ぶこと

●私達自身がやばい人にならない為に・・・

・目標・・・やばい人を卒業する

カバートアグレッションの特性をある程度理解できたら、あとは対処方法だけです。

ただし、どれも難しいかもしれません。

ご自身に合っているものがあれば、是非お試しください。

 

①限界ラインを決める

 

 

自分の中で、「これだけは守りたい」
というものを作りましょう。

月に2回は○○をしたい
月に1回は親に顔を見せに帰りたい
などなど、譲れないものを事前にしっかりと相手に伝えておくのです。

そして更に予め、
「これを脅かされたら、こう対処する」というのも決めておくと尚良しでしょう。

 

ポイント

これらは避難訓練と似ています。

事前に練習していないと、いざカバートアグレッションの人と対峙した際にパニックに陥るのです。

 

②相手の戦略を意識する

 

カバートアグレッションの人は、感情や罪悪感を訴えて支配しようとしてきます。
その為、自分が悪者であるかのような気分になってしまいます。

それを取り除くには、
相手が一体何を求めているのだろうか?
自分をどうコントロールしたいのだろうか?
と、相手の狙いを意識することが大切です。

注意

罪悪感を感じてしまうと、どうしても強く出れないし冷静にはなれません。
だけど、「相手は自分をコントロールしようとしている」ことが分かれば、一気に冷めてしまって対応がしやすくなります。

相手の狙いが理解できたその時点で、相手の戦略の半分を崩すことができるでしょう。

それでも、相手が本当にコントロールしてきているのかどうかは分からないことが多いです。

しかし覚えておきたいのは

カバートアグレッションの人は
必ず私たちを明確にどこかへコントロールしようとする

そんな事実です。

 

ご参考に

「詳しくは分からないけど、コントロールしてるんだろうなぁ
たぶんこっちの方向に話をもっていきたいんだろうなぁ」
と、ぼんやりとでも考える癖をつけておきましょう。

「おや?これは怪しい」
と思ったら、わざと逆のことを言って反発されることを言ってみるのも1つの手。
反発してきたら、「この逆の話にもっていきたいんだな」と分かります。

 

あえて乗せられるのも有りです。
そうすると、相手もテンション上がってきます。
内心では、「しめしめ・・・」と思っているに違いないでしょう。

このように、カバートアグレッションの人達とはまともに対峙してはいけません。

ゲーム感覚で楽しみましょう。要は心理戦です。

 

③言い訳は一切認めない

 

カバートアグレッションの人に少しでも譲歩してしまったら終わりです。

ガンガン自分のペースにもってこようとするし、好き勝手に正当化してきます。
こういうのはあとでいくらでも言い訳がきくので、これで闘うとかなりキツイです。

 

ですので、もしも「わたしはあなたの為にやったのに」と言われたら、
「それでも、オレには伝わってなかったし実際こういうことしたでしょ?
確かにあなたの気持ちは分からなかったけど、あなたも俺の気持ちわからないでしょ?」
というように、基本的に行動だけで判断を行い議論を行うようにするのです。

ポイント

「殺す気はなかった」
「でも殺しちゃダメだよね」
と同じです。

言葉ではなく、行動を見る癖を身につけるようにしましょう。

 

④ダイレクトに要求をする

 

遠まわしの嘘や、内部をぼかしたような発言は全部無視してください。

カバートアグレッションの人は
譲歩してほしかったり、曖昧化して会話を操ったりしてきます。

「きっと分かってもらえる」
「どうか分かってほしい」
というエゴを常にもっていたりするので、そんな相手にはダイレクトに
「俺はこれを聞いたんだけど、それについてはどうなの?イエスなの?ノーなの?
というように聞きます。

何故ならダイレクトに言われる、つまり言質をとられることをカバートアグレッションの人は滅茶苦茶嫌うから。

 

参考

想いを伝えるために言葉があるのに、
それをきちんとしないで「想いを理解して欲しい」は大変虫がよすぎる話

 

⑤一定の距離を保ちつつ、Win-Winを狙う

 

それでもどうしても、カバートアグレッションの人と付き合わなくちゃいけなかったりします。
ただ彼らに「手ごわいな」と思わせるだけで基本的には事は済むのですが、一度カバートアグレッションの人に嫌われるとチョー面倒です。

カバートアグレッションの人の特徴として、彼らは「負けること」を滅茶苦茶嫌います

都合のいいところだけ正当化し、「自分は負けてない」と最後まで主張してくるのです。
追い込みすぎると、激しく抵抗をしてきます。
これだともはや消耗戦になります。本当時間の無駄です。

なので、
自分が決めた限界ラインを超えないところは、しょうがないので全部譲ってあげましょう。
相手に華をもたせてあげて、Win-Winの関係を築くのです。

 

例えば、奢ってもらう気満々の女の子から、「ご飯に行きたい」と誘われたとき。

席につくなり、
「私は芸能人で友達がいる」
「お金持ちの知り合いがたくさんいる」
「絶対あの人は私のことが好き」
などなど言って来るような人とLINEを交換しようものなら、大変なことになってしまいます。

ここで我慢できずに、
「いやいや、君に魅力なんてないし無理だし。というか息をしないで」とか言うと、激しく抵抗してきます。

ここで思い出してもらいたいのは、自分が決めた限界ラインです。
要するに、自分に被害がなければいいわけです。
プライドを傷つけず、関わりを断つ行動を考えましょう。

例えば、
「え?でも絶対モテるよね?芸能人と付き合ってそうじゃん。
だから俺なんかと飯行ってる場合じゃないじゃん。
他にも沢山いい人いるんだから、そっち行きなよ!」

のように、その場で煽ててあげるのも有効でしょう。
華をもたされると、相手は何もいえなくなってしまうから

 

参考

その場で煽てるくらい我慢しましょう。
周りから見れば、「大人だな」って思われるでしょうから。

 

 

 

さて、いくつかカバートアグレッションの人の対策方法を述べてきましたが、

お分かりかと思いますが、日常的にやらないようにしてくださいね。
「ねぇ、YESなの?NOなの?ねぇ?」
とか誰にでも言ってると、ただの嫌なヤツです。

また、カバートアグレッションの特性は状況次第では誰でも当てはまります。
ですので、無意識的にやっちゃうこともあります。

せめてここだけ!

とにかく、
相手をコントロールしようだなんて思わないでくださいね。

やべえ奴には絶対ならないでください。