誰かと仲直りするときに確認したい、「モヤモヤ感」と「無自覚な怒り」
新しい人間関係が築けないのは、過去の人間関係を引きずっているから?
「アイツと喧嘩して、関係を断ててよかったぜ!」
・・・そう言っている割には、所々にその人の顔が頭に浮かんでくる。
そんな経験はないでしょうか?
大嫌いな相手が存在するとき、その相手のことを第三者に話し、怒りをぶちまけることがあります。
しかし、それが怒りではない場合があるのです。
よくよく自身の愚痴や怒りに耳をすませてみると、それらの感情の裏に
「もっと自分を見て欲しかった!」
「自分はもっと仲良くしたかった!」
「もっと一緒に居たかった」
という感情が隠されていることも多々あります。
特に「前までは仲が良かった相手」であればあるほど、袂を分かった後に襲ってくる痛みは強力なんですよね。
とあることがきっかけで人間関係が壊れたり、変にぎくしゃくした関係になってしまうと、多くの人は喪失を感じることでイライラしたり心に傷を負ってしまうものです。
ですが私達は、そのモヤモヤした心の傷というのを放置してしまっています。
例えば、新しい人間関係を築いていこうとしてよくあるのは、
新しい人間関係に自信をもてなくて、どうしても浅い付き合いになってしまう。
相手に心を開くのを恐れてしまう
相手に依存しすぎて、傷つけられるのを恐れてしまう
などでしょう。
そう感じてしまうせいで二の足を踏んでしまうのは・・・
過去の人間関係に「けじめ」をつけられていないからもしれません
ここでいう人間関係のけじめとは・・・
しおれた人間関係という花に水をやり、過去の関係を再び花開かせること、
もしくは、
関係をきちんと終わらせて、新たな出会いに向けて一歩を踏み出すことを言います。
人間の幸福度というのはどうしても、人間関係によって左右されてしまうため、誰とも深い繋がりをもてない人は、必ずどこかで生きる活力を見失ってしまう恐れがあります。
そんなことにならないよう、モヤモヤした感情にいい加減ピリオドを打っていきましょう。
新たな人間関係を築いていくために。
本当は関係を修復したいのに、しようとしない「言い訳」6つ
「喧嘩した相手と仲直りをしなさい」と言われたら、「ふざけんな!」と思いますよね。
その際によくやってしまうのが、言い訳という抵抗です。
口に出していようがいまいが、言い訳を反射的に思いついてしまうから中々相手と関係修復しよう考えることができません。
なのでまずは、よく考えてしまいがちな言い訳を7つ挙げますので確認してみてください。
①「本当に仲直りしたいなら、相手から来てくれる」
相手自身があなたに対し「まだ怒っているだろうし」と思ってしまっているかもしれないし、
相手は何か誤解をしてしまっているかもしれないし、
自分が気付いていないだけで、無意識に相手を傷つけているかもしれない。
何にせよ、相手自身があなたが動いてくれるのを待っている可能性も十分あります。
単純に、「どうして相手は仲直りしてこないのか?」と理由を考えてあげることも必要です。
②「まだあの人は怒っているだろう」
こういう言い訳をする場合、自分も相手も腹を立てている状況であることが多いです。
そんな状況下であっても、「関係を修復できないか確認したい!」のであれば、相手とさりげなく一度目をあわせてみることをオススメします。
仮に相手が自分に目を合わせたとき、もしも自分の中に安堵感が生まれているのであれば、関係の修復の為に頑張ってみるのが良いでしょう。
相手に対して抱いた何らかの感情が自身の心をよく占めることがあるのならば、関係改善やピリオドを打つ意味は十分あります
③「こっちから歩み寄ったら、甘く見られてイヤだ」
相手と向き合って関係を修復するというのは即ち、『関係にケリをつける行為』です。
ケリをつけるには、プライドを脱ぎ捨てて、更に『勇気』が無ければできないこと。
歩み寄るのは本当に骨が折れます。
歩み寄るという行動力や積極性は、正真正銘の強さ。
周りはどうか知らないけど、わたしは欲しい強さだと思います。
④「歩み寄って拒絶されたら、立ち直れないから」
誰だって拒絶されたら悲しい気持ちになりますよね。
もしかしたら、後悔だってしてしまうかもしれない。
それに対抗する為には、拒絶されてもいいように事前に『準備』するしかない。
『準備』というのは、例えば、
相手に歩み寄ろうとする自分の為に、事前にケーキ(ご褒美)を買っておくとか
予め友人に、
「ちょっと仲直りしてくるから、もしも失敗したら慰めてくれ!!」と伝えておき、悲しい気分になったら支えてもらう・・・とか
⑤「2度と関わらないでくれ」と言われた
相手の希望を尊重してあげるのはごもっともです。
しかし、自分から歩み寄ることで相手の気持ちが変わることもあるのも事実です。
もしかしたら、
その時相手は怒りに任せて「顔も見たくない!」と言って遠ざかったかもしれない。
そして内心では、「本当は引き止めて欲しかった」とか思っているのかもしれない。
たった1度だけでいい。
一度でも再会の約束を取り付けられれば、以前の互いの心を取り戻せるかもしれません。
以前のような関係に戻る必要はなく、大事なのは相手と1度でも会っておくこと
何故なら、これから自分が心穏やかに生きていく為に必要なことだから。
⑥「あの人と関係を修復する必要は無いんだ」
他者から拒絶されたとき、「この人は重要な人ではなかった」と、まるで相手をけなすような考えが浮かぶことがあります。
要するに、相手のことを忘れる為に別のことで気を紛らわそうとするんですね。
でもそう簡単にはいかず、憎い相手ほど自身の心の中に住みつきます
よく嫌いなアイツのことが頭をよぎるのは、まさにそのせい。
もう会うことの無いと(思っている)相手のことを考えて心に負荷を与え続ける行為は、冷静に考えたら恐ろしい話です。
人間関係のモヤモヤの原因を突き止めて、気持ちを整理しよう
モヤモヤっとした感情に苦しめられる原因は、その正体が分からないから。
上記のような言い訳をしてしまうのも、
「嫌いなあの人が自分にとって重要なのか、そうでないのか?」そんな肝心なことを分かろうとしないから悩んでしまうワケです。
たとえ問題が解決できなかったとしても全然構わなくて、問題の正体と解決の手段を知っておくだけでも、心は軽くなります。
その第一歩としてまずは、自分が相手に抱いている思い、願い、感じていることをしっかり見極めていきましょう。
そこでオススメなのが、相手からの手紙を自分で書いてみる方法。
このとき、「相手に本当はこういうことを言ってほしい」ものを全て盛り込むのがポイントです。
例えば・・・
「お前と一緒に居た頃が懐かしい。また馬鹿騒ぎしようや!」
そんな手紙が出来上がったのならば、「あの人と関係を修復することは意味があるんだな」ということが分かります。
当然この場合は、自分が相手に歩み寄ることは大きな意味がある行動ですよね。
「きっとまだ怒っているだろうけど、もしも叶うのなら関係を取り戻したい」
そんな手紙が出来上がったのならば、「もしも相手から修復のアクションがあったら、しっかりと話をしたいんだな」ということが分かります。
相手から歩み寄られたら、「どうしよう・・・?」と自分が悩む理由はありません。
「相手からの手紙を書く」方法で、相手に言われたいことを言葉にすることのメリットは、同じところをぐるぐる回っているだけの自分自身の気持ちに変化を起こせるところです。
すると、相手との関係性がよく見えてきて、相手に抱く自分の気持ちを整理するのが非常に楽になります。
気持ちの整理がつくということは、「あの人は自分にとって重要なのか?否か?」の答えを出すということ。
すると、
「どうやって歩み寄ろうか?」、
「あの人のことでくよくよ考える必要は無いんだな」
このどちらかに選択肢は変わります。
どうしたらいいのか分からないときは、一度悩み方を変えることをオススメします。
無自覚な怒りに要注意!
人間関係が壊れたときに現れる、「モヤモヤした感情」を理解したいなら、「怒り」の感情を知っておくのはとても重要。
そして何より、「関係を修復しに行くぞ!」と思い立つまでは良くても、無自覚な怒りが残っていたら全て台無しです。
一度ここで、無自覚な怒りとはどういうものか確認してみましょう。
人間関係が壊れる瞬間というのは、おそらくどちら側も怒りを少なからず感じているものです。
しかし・・・
怒りという感情を、誰もが言葉で表してくれるとは限りません
怒りを覚えたときにとる、言葉以外の行動は大きく分けて2つ。
①怒ったら状況を悪化させるからと、意識的に怒りを出さない。
②「怒るなんてみっともない」が口癖で、それを繰り返して感情が麻痺。すると、無自覚に怒りを感じていることすら気付かない。
ここでは、②の無自覚な怒りが曲者。
無自覚な怒りは、遅かれ早かれ、自分の首をじわじわ絞めてくるのです。
そもそも怒りが生まれるきっかけとなる言動は、皆様の日常に沢山溢れていて・・・
例えば、
・電話に出ない
・折り返しの電話をしない
・相手のことを考えない
・目を合わせない
・ネガティブな発言が多い
・無愛想になる
・自分から行動をしない
・相手を無視する
・誰かから話しかけられても聞こえていないフリをする
・自分の殻に閉じこもる
などなどですね。
こうした言動の裏に必ず怒りが隠されているとは言えないのですが・・・
まぁ可能性は高いだろうし、何より心当たりがありますよね?
自分が想像しているよりも、ストレスや怒りは沢山抱えているものです。
「アイツ絶対許さねぇ!」はもちろん怒りです。
加えて、
「どうでもいい」や「ちょっと気に障るかな・・・」も怒りであることを忘れないでください。
相手に怒りを抱えたまま歩み寄ろうとしても逆効果
誰かと関係を修復しようとする前に、まずは自分が抱いている怒りを知っておきましょう。
先にも述べたとおり、
見えない怒りを心に潜ませたまま中途半端に歩み寄ると、思いがけない瞬間に自分自身の足元をすくわれる可能性があります。
関係を修復するつもりが、最終的には喧嘩になってしまうかもしれません・・・。
様々な怒りを抱えたまま無理に歩み寄るのは、絶対にやめておきましょう。
モヤモヤとした感情を野放しにしたままでいると、
人間関係でショックを受けたり、失望したりしたときに「もう二度と失望するものか!」と、相手の言うこと為すことネガティブに解釈するようになります。
今まで友達だと思っていた人から悪口を言われたり、相手が実は自分にとって重要な存在ではないと気付いてしまったときなどが特にそうです。
もうそれ以降は、
相手の意図を想定しながら、出来る限り最悪の形で解釈しようとします。
つまり、「ポジティブに言われない限りは絶対反応しない」となるのです。
悪口を言われたら、「あーはいはい。お子様は相手しないよー」
逆に褒められたら、「もっと褒めて褒めてー!」
まぁそんなイメージだね。
関係を修復するときは、お互いの解釈に違いがあることも覚悟する
「批判されたくない」「この人に罪悪感を与えたい」
そんな思いに囚われたとき、ウソで対抗するのが正直手っ取り早いんですよね。
自分が何らかの主張をするのであれば・・・
事実にフィクションを練りこんで「俺の言い分は正しいんだ」と言えば、相手が格下なら間違いなく相手は黙ります。
メモ
例えば、
冷めてきた夫婦生活に耐えかねて、離婚を考えている夫婦が居るとします。
奥さんの言い分は、「旦那の飲酒が原因」
一方で旦那さんの言い分が、「妻が冷淡すぎて、酒を飲まずに居られない」
もしもお互いがそんな解釈のまま喧嘩してしまったら、相手に対して歪んだイメージを一方的に持ってしまうことになります。
誰かに対するネガティブなイメージって、こんな感じで生まれていくんですよね。
ネガティブなイメージを抱いたまま喧嘩別れしたら、「まだ怒ってるんだろうなぁ・・・」と、腰が引けてしまうのも無理はないでしょう。
実際に相手に歩み寄って話を聞いてみると、相手の解釈は自分の解釈と大きくかけ離れています。
それに対してギャーギャー文句を言っても意味がありません。
それをちゃんと理解したうえで、「わたしはあなたと仲直りがしたい」という信号を送れば、物事の展開は大きく違ってきます。
相手の解釈を、ひたすら聞いてあげましょう
まとめ
人間関係がうまくいかずに喪失を感じるような出来事があったときは、心に見えない傷を負ってしまったり、イライラしてしまったりすることがあります。これは俗に言う、「心のモヤモヤ」と呼ばれているもの。
過去の人間関係に「けじめ」をつけられていないと、この現象は起きて、「心のモヤモヤ」はよく放置されがち。
人間関係が冷めたときは特に注意しましょう。
心のモヤモヤが残ったままだと・・・
- 新しい人間関係に自信をもてなくて、どうしても浅い付き合いになってしまう
- 相手に心を開くのを恐れてしまう
- 相手に依存しすぎて、傷つけられるのを恐れてしまう
自分が相手に抱いている解釈(物語)には、注意深く耳を傾けることが大事。
相手との関係をきちんと終わらせるか、しおれてしまった今の関係に水をあげるのか考えるべき。
新たな人間関係を築いていくために、無自覚な怒りには特に注意が必要です。
だけど、気付きづらいものを意識するのって中々できることではありませんよね。
ですのでせめて、怒りやストレスは自分が思っている以上に沢山抱え込んでしまっているとだけ自覚するべきでしょう。
それに加え、「ぎくしゃくした人間関係を修復したい」からと言って、相手に対して怒りを抱えたまま歩み寄ろうとするのは逆効果。
何故なら、「自分が正しい」の論法で相手と会話してしまうから。
自分が述べる”正しい”と、相手が述べる”正しい”は異なっているので、その事実をしっかりと受け止める覚悟ができたら、相手との関係修復に臨んでください。