社会的ルールに騙されない為に・・・。 戦略と対策

ある日、「家庭防火協会」と名乗る男性から電話がかかってきました。

話の内容というのは、
「私たちは家庭でできる防火対策をお伝えしています。
ご自宅に危険箇所がないか無料で点検させて頂き、そして無料で家庭用消火器を差し上げています。
完全無料で行っているのですが、いかがでしょうか?」
というもの。

ちょっと興味があったあなたは、このサービスを受けることにしました。

そして男性が一人、あなたのご自宅にやってきました。
この男性は、
・火災の危険箇所が無いか調べてくれた
・どの程度火災の危険性があるか教えてくれた
・消火器を1つプレゼントしてくれた

そして最後に、
「家庭用火災報知機を設置して頂ければ、いざというときに安心ですね。
それ以外は何も問題ないと思います!
また何かあれば、お気軽にお呼びくださいね!」

と言い残し、男性は去っていきました。

めでたしめでたし。

 

・・・で終われば、
将来もしもその男性が援助を必要していると分かったら、社会的ルールに従い、喜んで何かお返しをしようという気持ちになりますよね。

そうした厚意のやり取りこそが、私たち人間の心をとても温かい気持ちにさせてくれます。
まさしく、返報性のルールの素晴らしい伝統です!

 

だがしかし・・・
ほとんどの場合、こういう話は違う結末を迎えるもの。
そう・・・
検査に来た人が、自社の高価な火災報知機を買わせようと、製品の紹介を始めます。
(それが仕事でしょうから、まぁ仕方はないのですが・・・)

要するに彼らは、
「消火器を無料で渡し、家の点検も無料で行ったのだから、うちの会社に義理を感じてくれるだろう。」
と期待して、その場で購入を促すのです。

もしもわたし達がこのような状況に陥り、
高価な商品を売りつけることが相手の主な目的であると気付いたとき、どう対応したらいいのでしょうか?

ご安心ください。あなたがやることはとても単純です。

 

 

相手の目的に気付いた場合の対応

まず行うのは、状況の再定義です。

おさらいしましょう。
あなたが受け取ったのは、
「消火器」「防火の有益な情報」「危険箇所の点検」という、贈り物ですよね。

ですのでこの「贈り物」を、「販売の手段」と考え直すとどうでしょうか?
販売の手段であるならば、もちろんあなたの選択は自由になります。

商品に魅力を感じたのなら購入すればいい
必要なければ断ればいい

何故なら、
「厚意」はセールスの戦術に対して返すものではないからです。

こう考えれば、少し冷めた気持ちになりませんか?

しかし、まだ気を抜いてはいけません。
「友人の紹介でも・・・」と相手が繰り出してきた場合も、冷静に先ほどと同じ方策を使ってください。

そしてしっかり確認してください。
「相手は本当に、先ほどの「購入してください」という要求を引き下げたのか?」
そうでなければ、それは本当の譲歩とは言いません。

ここまでくれば、あなたはもう不適切な恩義に惑わされることは無くなるはず。

そして、
防火器具や情報という贈り物が、あなたを丸め込む為の道具だと分かったら、その道具を用いて自分の利益にしてもいいとは思いませんか?

「無料で差し上げます」と相手が言うのだから、何でももらっちゃいましょう。
あとは丁寧にお礼を言い、笑顔で優しく玄関の外へお送りするだけ。

 

はい、おしまい!

摂取には摂取で、しっかりお返ししてあげましょう❤




身近にある相手を説得するテクニック「拒否させて譲歩」

※まずは復習

コントラストの原理と返報性のルールの記事を書いておりますので、もし宜しければ一読くださいませ!

コントラストの原理とは

2番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまうこと。

コントラストの原理の記事はコチラ

 

返報性のルールとは

相手が自分に何らかの恩恵を施してくれた場合、自分も同じような形で何かお返しをしなくてはならないこと

返報性のルールの記事はコチラ

 

 

拒否させて譲歩を学ぶ

 

相手に「YES」といわせる為の非常に効果的なテクニックとして、最初の譲歩が使えることは前回書きましたが、
他にも「拒否させて譲歩」法というものもあるのでご紹介します。

やり方はとても簡単です。

 

拒否させて譲歩法が使われている例1

「誰かに要求を受けいれさせたい」と考えているとします。

そんなときは、
まずは確実に拒否されるような要求を出します。
そして相手が確実に拒否した後、それよりも小さな(元々自分が受けいれて欲しいと思っていた)要求を出せばいいのです。

すると相手は、2番目の要求を”自分に対する譲歩”だと考えてしまう為、自分の要求を受けいれてくれる確率はぐっと上がってしまうのです。

 

拒否させて譲歩法が使われている例2

あなたが、「普段はしつこいセールスの勧誘の人に、知り合いを晒すような真似は私はしない!」とどれだけ思っていたとしても、
例えば相手からの「買って欲しい!」という要求を断った後に、「それなら誰か紹介してくれませんか?」という譲歩の形で言われると、

ついその通りにしてしまうものなのです。

 

さて、なぜ「拒否したら譲歩」法が成功してしまうと言われているのか?
勘の良い方はお気づきでしょう。

そう、コントラストの原理も働いているからです。
(先に高価なものを購入していると、それよりも安い価格の商品がより一層安く見えてしまう現象のことでした)

これと同じように、
大きな要求から小さな要求へ引き下げるやり方であっても、

先に出した大きな要求との間にコントラストの原理が働いて、後から出す要求を非常に小さいと感じさせることができます。

 

参考

例えば、「5万円貸して欲しい」と友達に要求したいときは・・・。
「10万円貸してくれないかな?」と要求すればいいのです。
これにより、目的の5万円を実際よりもささやかな金額に思わせることができます。

つまり、
「返報性のルール(貸す相手が感じる)」と、「コントラストの原理」
この2つが「拒否したら譲歩」法に統合されると、本当に驚くべき効果をもたらしてしまうのです。

 

 

このように「拒否したら譲歩」法は、
自分の要求を通そうとする人が意図的に使うことも可能になってくるので、
「どうして相手の要求を聞いてしまったのか?」という理由を普段から考えない方は、特に注意する必要も出てくるかもしれませんね。

 

 

「初めにプレゼント攻撃をしたり、譲歩をしたりすることによって、私たちは強力な言葉の武器を得ることができる」ことは分かりました。

 

とはいえ、「相手を丸め込んでやろう」

そんな悪企みする社会的ルールの使い手が目の前に現れたとき、私たちはどうしようもないのでしょうか?

 

参考

対処法の1つとして考えられるのは、

おそらくルールを始動させないようにすること。

始動さえしなければ、そもそもこのルールと直面しなくて済むでしょうから。

だったら、「最初の厚意や譲歩は拒絶すればいい」と普通は考えてしまうものですよね。

そうすれば、おそらく相手の策略から逃れられる!

・・・かと思いきや、そんなことはおそらく無理です。

「相手からの厚意や犠牲の申し出は、絶対断ろう!」と、どれだけ固い決心をしたとしても、実行するのはそう簡単なものではないでしょう。

何故ならば相手から放たれた申し出が、

「本心であるのか?」

「自分を食い物にしようと企んでいるのか?」

それを見分けるのはすごく難しいことだから。

 

とは言え、中途半端に疑心暗鬼でいると、

「社会的ルールを悪用しよう」などと微塵と思っていない人の申し出を、素直に受けられなくなることにもなりかねません。

 

例えば、こんな話があります。

ある小学生の女の子が学校の行事で、町行く人に一輪の花を渡すことになりました。

ところが、女の子が花を渡そうとした最初の男性は、怒った口調で「いらないよ」と言いました。

困惑した女の子でしたが、彼女はもう一度男性に花を差し出します。

すると男性は、「お返しに何をさせるつもりだい?」と言いました。

それに対して女の子は、「何もいらないです。これはただのプレゼントなんです」と答えましたが、男性は疑いの気持ちを隠さずに女の子を睨み付け、

「君の魂胆なんてお見通しだよ!」

と言い残し、花を受け取らずに去っていったのです。

この女の子が受けた心の傷は計り知れず。

女の子はその後、誰にも花を渡せなくなってしまったそうです・・・。

 

この場合、一体誰が悪いのでしょうか?

その心ない男性?それとも、「贈り物は絶対拒否すべきだ」と、思い込ませた”誰か”?

何にせよ、社会的ルールを悪用するのではなく、私たちは本当に寛大な多くの人々に常に出会います。

そんな人々に対して拒否ばかりしていると、相手はきっと屈辱を感じてしまうはずです。

最悪人間同士のトラブルに発展してしまうことも。

 

このことから、

「厚意は絶対断ってやろう!」という対処法はオススメできません。

じゃあどうすればいいのか?

 

こう考えてみてください

「先々自分は沢山の相手に何かのお返しをすることになる」

これを心に留めておき、人から親切にされたらまずはありがたく頂戴しておけばいい。

そしてもしも相手の最初の申し出が、「こちらを丸め込む為の策略」だと判断したときに、それ相応の対応をすればいいのです。

これを徹底しておけば、

いざという場合に相手はもはや社会的ルールを味方にすることができなくなります。

誤解しないようにしましょう。

あくまでも、「厚意に厚意を返す」のであって、

策略には何も返さなくていいのです。

 

 

さて次は、

実際にありそうな例を見て、もう少し具体的に対策を考えていきましょう。

気になる方は、

社会的ルールに騙されない為に

をごらんください。




身近にある相手を説得するテクニック 「譲歩」

譲歩を学ぶ

 

 

今回は「譲歩」という方法をご紹介します。

中々目立ちはしないものの、状況次第ではこちらも非常に強力な武器となり得るものになります。

 

では、この「譲歩」とは一体どういうものなのでしょうか?
その前に、まずは例を挙げていきましょう。

 

譲歩が使われた例

クリスマスの日、あなたは道を歩いています。
すると正面から少年が近づいてきました。

自己紹介の後、少年はあなたにこう言います。
「明日の晩に、クリスマス恒例のイベントが開かれるのですが、僕はそのチケットを売っています。
一人1枚、1500円なのですが、できたら何枚か買って頂けないでしょうか?」

明日は特に予定はないものの、興味が無かったあなたは断りました。
少年は「分かりました」と言った後、こう続けました。

「ではチケットが駄目なら、ミニクリスマスケーキはどうでしょうか?1つたったの200円です。」

そして少年は去っていきました。
ケーキを2つ手にしたあなたを残して・・・。

 

ではここで考えてみましょう。

あなたは特別甘いものが好きなワケではありません。
そして変な浪費をしないように心がけているつもりです。
にも関わらず、何故買ってしまったのでしょうか?

 

くどいかもしれませんが、受けた親切に対してお返しをする義務が生じるのは

返報性のルール

の際に述べたとおりです。

 

つまり譲歩というのは

受けた親切に対して親切を返す義務が発生してしまうと同様に、
自分に譲歩してくれた相手に対しても譲歩を返す義務も生じてしまうことを言います。

 

上で述べた例で言えば、
少年は「1枚1500円のチケットを買って欲しい」という大きな要求少年が引き下げたことに反応してしまい、「今度は自分が譲歩しなければ」と思ってしまったのです。

本当はどちらも買うつもりは無かったはずです。
なのに、拒否から承諾へと行動は変化してしまった・・・。
「甘いものが好きではない」というあなたの事情など、問題にはならないのです。

 

どうして譲歩には譲歩で返そうとしてしまうのか?

その理由は、
人間の中に譲歩をしてしまう傾向があれば、それが社会の利益になるからです。

そもそも私たちは、他者には受け入れてもらえないような要求を少なからず初めはもっているものです。
そしてその要求を自分の中で少しずつ調整していきながら、社会の利益に協力できるようにする必要があるのです。

「要求」というのはほとんどの場合、妥協することによって達成されます。
その為、
譲歩することは時には重要な手続きの1つであると言えるんですね。

 

ではまとめましょう。

譲歩のまとめ

  • 譲歩とは、「相手からの譲歩に対して譲歩を返す」というもの。
  • 「相手が譲歩してくれたら、自分も譲歩しなければならない。」という義務が生じているお陰で、人は自由に最初の譲歩ができる。もしもその義務が無かったとしたら、誰も最初に譲歩しようなどとは思わないだろう。

 

そう考えると、譲歩は私達の日常には必要不可欠なものだと分かりますね。

何の見返りも期待できないのにも関わらず、何かを手放すような真似をしていたら・・・
私たちは損失だらけですし。




身近にある相手を説得するテクニック 「返報性のルール」

 

 

返報性のルールを学ぶ

 

返報性のルールとは

他人が自分に何らかの恩恵を施してくれた際は、自分も何か似たような形でそのお返しをしなければならないことを言います。

 

例えば・・・

あまり親しくない人から誕生日プレゼントをもらったところを想像してみてください。
その場合、「今度は自分がその人に何かプレゼントをしなくては・・・」という衝動に駆られてしまうのです。
当然相手の誕生日を知らなかった場合でも、その人の誕生日を調べて覚えておかなければならなくなるでしょう。

 

ですので返報性のルールは、
私たちの身の回りにある、簡単で強力な武器の1つに数えられます。

しかし、
こうした恩義の感覚を伴う返報性のルールは社会に広く行き渡っており、
そして「人間社会を生き抜くうえで必要不可欠である」と言われているほどです。

 

返報性のルールの誕生するまで・・・

「受けた恩義には、将来必ず報いなければならない」
返報性のルールはそんな義務感から生まれます。

ただし、その期間は永遠ではありません。
恩義が比較的小さいものである場合、それは時間の経過と共に報恩の義務は薄れていきます。
しかし贈り物が大変素晴らしく、記憶に残るようなものであった場合、義務は長い間生き続けてしまうでしょう。

 

例えば・・・

普段は不快な印象をもっているセールス勧誘員、
何を考えているか分からない知り合い、
評判が良くない組織団体の人・・・。

そんな彼らですが、もしも彼らが要求を出す前に、
“アメを渡したり”、”子供にぬいぐるみを渡したり”といった、ちょっとした親切を彼らからされただけで、要求を引き受けてしまう確率がぐっと上がってしまうのです。

つまり、
お客さんにちょっとしたプレゼントをするだけで、
売れる見込みのなかった商品やサービスを彼らは売ることができるというワケなんです。

 

それでも私たち人間は、「返報性のルールに従って行動するように」と教えられてきています。
そしてもしもこのルールを守らなかった場合、社会的制裁を受けることも私たちは知っているはず。

 

社会的制裁とは・・・

他人から取れるだけ取ってもなおそのお返しをしようとしなければ、あなたに対してほとんどの人が疑いの目を向けることになります。

そんな、「あなたはたかり屋だ」とか「この恩知らず!」というレッテルを貼られるのだけは避けなければなりません。
だから私たちは努力をするのでしょう。

そして時には不公平な要求であっても、それに甘んじてしまうのが私達と言えます。

 

 

その為、返報性のルールを用いると、
「普通」は断ってしまいそうな要求でも、
「相手に借りがある」という恩義は、受け入れさせようとする。
ここの普通というものを軽く圧倒してしまうのです。

 

参考

なので私達は、

「相手に借りがある」という気持ちがあると、普通は断るような要求でさえ、簡単に受け入れてしまうようになってしまいます。

 

ただ厄介なのは、そうした努力の過程の中で、
「恩義を感じさせることによって悪企みをしよう」と考えている相手に、まんまと騙されてしまうこと。

それだけ、返報性のルールの威力は恐ろしいものだと分かります。

 

ではここで、返報性のルールを利用した例を見てみましょう。

 

返報性のルールが利用された例1

とある団体が、町行く通行人から寄付を求めました。
そこで、まず彼らは何も知らない通行人に花を渡すようにしたのです。
(最も安上がりで効果的だったのが花だったとのこと)

突然花を手に押し付けられたり、強引に上着とかに花をピンで留められたり・・・。
そして「こんな花はいりません」と通行人がどれだけ訴えても、
「いえいえ。これは私たちからのプレゼントですから」と寄付団体は言い、返されることを拒むのです。

このように彼らは、返報性のルールを無理やり持ち込み、その上で寄付を求めます。

「相手が施しを求める前に施しをしてしまう」
この戦略は恐ろしいほど成功したと言われています。

しかし、返報性のルールの効力は徐々に失われていくことになりました。
そう、この話には続きがあるのです。
それは、
一度その手口に引っかかった人々が、その寄付団体の服をまとった募金勧誘者を警戒するように呼びかけたのです。

つまり、人々は「プレゼント攻撃」を撃退する準備を整えました。

結局その団体は厳しい財政難に陥り、
その結果、経済的な理由から閉鎖したとのことです。

 

返報性のルールが利用された例2

昔とある地域の宗教団体のリーダーだった人が、地域に住む住民に集団自殺を呼びかけました。
それに応え、ほとんどの人々が毒を飲んで死んでしまったのです。

しかし、一人の住民だけは違いました。
その住民はリーダーの命令を拒み、その地域から逃げ出したのです。

後にその住民が話すのは、
「私があのとき冷静に判断できたのは、どんなに困っているときでもリーダーからの恩恵を受けることを拒否していたから」だと語っています。

その団体のリーダーは、その住民にある聖書を渡していました。
その聖書にはこう書かれていたそうです。

「賄賂は決して受け取ってはならない。
賄賂は目のあいている者の目を見えなくし、本来は正しい人の言い分を歪めてしまうのだ」
と。
皮肉な事に、この住民はこの教えを守っていたのです。

彼は言います。
「1度でも彼から恩恵を受けてしまったら、完全に服従せざるを得なくなる。」

だから、彼に借りを作りたくはなかったのだと。

 

いかがでしょうか?
では最後にまとめです。

返報性のルールのまとめ

  • 返報性のルールとは、「相手がしてくれた親切を相手に返すべきだ」というもの。
  • 例え受け取ったものが自分が頼んだものでなくても、私たちはお返しの義務を感じてしまう。それが余計なお世話であったとしても・・・。

 




相手を説得するテクニック 「コントラストの原理など」

 

※今回参考にさせて頂いたもの

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

新品価格
¥2,916から
(2020/6/29 18:51時点)

これまで沢山の本に出会ってきましたが、

「影響力の武器」を自分なりに記事していく作業は特に興奮しました!!

めっちゃ面白かったです。

この本を読んでいた当時、丁度営業の仕事に携わっていたので使おうか悩みました・・・。

でもやっぱり、性格上騙す側はできないと感じたので、

いかに騙されないか?気をつけていこうと思いました。

 

意外と身近で使われている説得テクニック達

 

コントラストの原理

 

コントラストの原理とは

例えば、

始めに軽いものを持ち上げて、次に重いものを持ち上げると、
2番目の重いものだけを持ち上げたときよりも重く感じてしまう。

最初に魅力的な人と話をして、次に魅力的ではない人に会ってしまうと、その人が実際以上に魅力が無いように感じてしまう。

つまり同じものであっても、その前に起こった出来事次第で全く違ったものに思える現象のことです。

 

 

実はこのコントラストの原理は、身近でよく使われているものなのですが、そんなこと急に言われても中々ピンとは来ませんよね。

しかしそれもそのはずです。
このコントラストの原理は比較的簡単に誰でも扱え、機能させられる。
その場面を自分の為に組み立てているという形跡を全く見せずに、その武器を利用することができてしまう。
そしてうまく機能してしまえば、中々気づくことはできない・・・。

そう。故に悪用されないとも限りません。

 

 

例1

あなたが紳士服の店員さんだとしましょう。
スーツとシャツを探し求めてるお客様が来店しました。

ではこのとき、スーツとシャツのどちらを先に見せれば両方買わせることができるでしょうか?
お分かりの方も居られるでしょうが、紳士服の販売店では高い品物を先に買わせるように指導しています。

まずは高いスーツを買わせる。(ここでコントラストの原理が働く)
するとシャツを選ばせるときに、比較するほど高くはないように感じさせることができるのです。
(その他、靴やベルトやセーターにももちろん使えます)

 

例2

自動車を買うときにもコントラストの原理はよく見られます。

新しい車の売値を決めてしまってから、最新のオプションを次から次に勧めてしまうのです。
何百万という取引の後ならば、最新の付属品に払う数万円は取るに足らない額に思えてしまう

一見すれば些細な額のオプションを加えた場合でも、
最終的な価格は跳ね上がってしまうというのにも関わらず・・・。

つまり、コントラストの原理を使えば
先に提示する商品の価格次第で、同じ商品の価格を高くも安くも感じさせることができるのです。

 

 

「カチッ・サー」

 

「カチッ・サー」とは

頼みごとをされる際などに、例え理由らしい理由を述べていなくても、自動的に頼みを聞いてしまう現象のことです。

 

例1

例えば、
あなたはコンビニにあるコピー機を利用したいが、行列ができてしまっています。
とにかくすぐにコピーを取らなければならないのですが・・・。

このとき、
「先にコピーを1枚取ってもいいですか?」
など言っても、相当優しい人達ではない限りは、先にコピーを取らせてはくれないでしょう。

しかし、
「急いでコピーを取らなくてはいけないので、1枚だけコピーを取らせてくれませんか?」
と言えば、成功率がかなり上がることが分かっているのです。

「~ので」という単語は非常に強力で、これがあるだけでもかなり違います。

 

例2

例えば、
私たちは権威がありそうな人が言うこと、あるいは指示をそのときの衝動で受け入れてしまう傾向があります。

仮に相手が「専門家」であった場合、この「専門家」という肩書きだけで判断してしまったり、

相手の発言の内容など問題視することなく、ただ納得して同意してしまうこともあります。

要するに、
専門家の話を聞いた(カチッ)
だから納得して同意した(サー)

です。

 

「高価なもの=良質なもの・・・?」

 

 

現代社会の進むスピードはとても速く、その為私たちは私的な重要事項であっても、十分に考えて決断をすることが難しくなってきていると言われています。

上記の「カチッ・サー」という自動的な反応を利用し、使いこなす人は沢山居ます。

販売店では売れにくい商品ほど、価格をかなり釣り上げることによって捌こうとします。
実際、これが物凄く効率が良いとされているのです。

その理由は、
あまり疑おうとする人が居ないことと、
「高価なもの=良質なもの」という意識が強いからです。

商品に「値下げ」の付いた札を付けてあげれば・・・あら不思議。
最初の価格で売れてしまうのです!

 

これらはまさしく、
「高価なもの=良質なもの」という反応を利用していて、更に
「あ、高価なものだ!(カチッ)」
「値下げされてる!買おう!(サー)」
の効果も働いてるからこそ起きているのです。




本心と周りへの悪影響

父親の本心を暴く

~「娘の為に」という名の暴走~

 


「ただ娘の為に最善を尽くしたいだけなのだ」
と、夫は何度もこう語っていました。

しかし、それはです。
妻と、そして自分を欺いているのだから。

夫の本当の目的

夫は心から娘の幸せを願っていると思い込んでいたようですが、実は周囲に対して、
”娘の将来を熱心に考えている父親”なのだと印象付けたいが為に最善を尽くしていただけ。

本当に夫が望んでいたものは、
娘のオールAという成績だけだったのです。

 

この手のタイプの人は、望んできたものは必ず手に入れてきたような人物です。
自分は常に正しく、自分の方法こそ唯一の正しい選択だと信じきっています。

そしてこの手の考えの持ち主は、仕事では中々のやり手であることも多い。

 

 

参考

しかしそれを完全主義だと評価するのか?
もしくは強引で押し付けがましいと評価するのか?
反応は人によって当然違ってきます。

 

いつも自分の流儀を押し通し、譲歩や遠慮を知らない。
望みのものを手に入れるまで突き進むタイプではありますが、時にはそれが良い結果となることもあるでしょう。

しかし、この夫のように
突き進んでいいタイミングを誤ったり、状況を読み違えてしまったり、
控えなければならない場合にも関わらず、言動が激しさを増してしまうのは危険です。

また、家族では夫のイメージが常に反映されるものだとも考えています。
周りから見て、娘の印象がよければ父親のイメージも高くなるだろうし、
それなら娘は、父親のその良きイメージを周囲に伝えるのが義務なのだと決め付けていたのだから。

 

つまり、
「自分が周囲の目から、どう映っているのか?」
とにかく自分のイメージを気にしていたのです。

そんな強い思いがあるのにも関わらず、人の考えなど蚊帳の外。

とにかく自分のことだけ没頭します。

つまり、

彼が心から娘を思いやることなど、無理な話だったのです。

ここで妻や娘を苦しめたのは、
夫の思いやりと気遣いに隠れた攻撃です。(潜在的攻撃性とも言います)
隙あれば、自分の考えを誰にでも押し付けていた夫の行動が、問題を引き起こしていました。


表面上はいい父親を演じてはいますが、無意識に感情的な支配を家庭に及ぼしてしまっているのです!

 

因みに・・・

娘は毎晩、同じ悪夢にうなされているそうです。
その夢は、誰かが父親を傷つけようとしている内容でした。

その理由は、娘は無意識のうちに、
「父親を傷つけたい」 「死んで欲しい」
と願っているから。

娘は娘で父親の無慈悲には本能的に気付いてはいますが、
父親に正面からそんな気持ちをぶつけられるタイプではないのでしょう。

夢の中であれば、心置きなく自分の感情をさらけ出せる

おそらくそういうことなのでしょう・・・



では何故妻は支配されてしまったのか?

 

 

妻自身、心の内では夫の理不尽に気がついてはいたはずです。
なのにどうして彼女は夫に操作されて、夫の考えに同調していったのでしょうか?

二人は夫婦です。
実は夫は、妻が口にしそうな反対意見を黙らせる方法を心得ていました。

 

例えば

妻が主婦や母親としての義務をないがしろにした際に、自分を責めてしまうタイプなら、
方法は1つです。

自分にあれこれ指図することは、娘の幸せを否定することなのだと思わせれば良い。
妻の目に、父親だけが娘を心配している場面を映せば、
「自分は娘の幸せはどうでもいいのだろうか?最低な母親ではないのか?」
と考えるようになります。

つまり、夫は極めて効果的な手口を使い、自分の言動は当然のものとして振る舞っていました。
そんな自分に反抗するのは過ちなのだと、妻を納得させていたのです。

自分自身や家族全員に対して、自分勝手な”企て”を合理化させていたんですね。
この合理化によって、妻に「夫のように、娘に同じ愛情を注いでいない」と思い込ませる十分な説得力をもっていました。

 

まとめ

  • 成績優秀な娘に育て、自分のイメージを上げる
  • 娘の幸福など本当は望んでいない。ただ単に自分の欲望を満たそうとしているだけ

 

 

このことから私達が学べること

 

1分間だけでよかった。

「自分こそ、問題の張本人なのだ」
こう彼が認めることができていれば、やり直すチャンスがあったかもしれません。

夫というマニピュレーターが支配する家庭では、娘の精神科でのカウセリングでの治療法も失敗でした。

 

覚えておこう

マニピュレーターを相手にする時は、
Win-Winの関係に持ち込むシナリオを組み立てることが重要となってきます。

決して、彼らに敗北感を抱かせてはならないと肝に銘じておきましょう




勝つことにこだわる父親

ではまずは一例として、
とあるご夫婦の話を夫目線でご紹介します。

自分の思いに固執する家族が一人でも居るだけで、
心のそこから家族を思いやり、気遣っている人がどれだけ苦しみを被ってしまう
のか、理解して頂けるかと思います。

 

 

とにかく勝つことにこだわってしまうと・・・?

最近娘の様子がおかしい。

激しく苛立っていることもあれば、頑なな態度も見受けられる。
勉強の成績に至っては目も当てられない。

年頃の娘にはよくあることなのだろうと、妻と良く話してはいるのだが、
私の娘の場合は、特にそれが尋常ではないように思えてきている。
大事な一人娘なこともあって、とても心配だ・・・。

「なんとかしたい」
そう思い、これまで色々と手を尽くしてきた。

妻は、「プレッシャーに押しつぶされたのが原因」だと、度々オレに言っている。
しかし、問題はそんなに単純ではないのが俺の答えだ。

妻は何も分かっていない。

俺がどれほど娘の将来を案じているかお前には分からないだろう。
子供の幸せを本気で考えるのなら、
解決策が見つかるまで手を尽くすのが親なんじゃないのか?

先日、娘が”B”と記された成績表を持って帰ってきた。
娘はしかも、その結果の心配のあまり、「私は学習障害ではないか」と教師に連絡したとも言う。

オレは念のため、娘に検査を受けさせるべきだと教師に訴えた。
しかし、教師はそれを拒んだ。
「娘さんはうまくやっています。他のクラスメートとさほど変わらない、普通の子ですよ」と。

ふざけるな。
オレが娘を気に病んでいるのは、娘の幸せを常に願っているからで、それを妨げるものは取り除いておきたいからなんだ。
もうこの教師は信用できない。

娘を転校させるしかない。

この決意を妻に打ち明けると、妻は激しく反対した。
だが、オレの決意は固い。
自分たちに残された選択は、学校を変えて無関心な教師から娘を引き離すことだ。
新しい学校なら、両親の意見や心配事にも耳を傾けてくれるはずだから。

しかしいざ転校しても、成績は上がらなかった。
そして何故か、娘の反抗的な態度もぶりかえされ、今度は些細なことでイライラするようになっていった。
特に、私と一緒にいるときが特にひどい気がする。
何か手を打たねば・・・。

私は評判の高い、とある精神科クリニックに相談することに決めた。
娘と両親みんなで来るように言われた。
娘の為ならば父親の私は、なんだってやってやる。

カウンセラーの先生が言うには、
「娘さんは自分をひどく追い詰めている」
「娘さんの怒りは、特に期待ばかり押し付けるお父さんに向けられている」
とのことだった。

・・・話にならん!
カウンセラーの話は間違っている。
オレが間違っているワケないだろう。

おそらくアイツは心理学オタクなんだ。
悪気はないだろうが、娘のことは分かっていない。
少なくとも、オレのように娘のことは理解していないのだ。

翌日、オレはようやく問題の解決策を思いついた。

まずは最新のコンピューターと学習ソフトを買い込んだことを二人に告げた。

これなら毎日娘と家で二人きりで勉強できるし、そうなれば成績も上がるはずだ。
クリニックに通う費用を無くせば、学習ソフトの代金に回せる。
クリニックの先生が指摘していたが、もしも万が一に娘がオレに怒りを感じているのなら、
親密な時間を毎日過ごすことで、その問題も解決に向かうはずだ。

 


「これでようやく昔の娘を取り戻せる。
やはり結局、娘のことを一番考えているのは父親である私なんだな。」

 

 

さて、いかがでしょうか?

次回はこの父親の本心と、そして家族にもたらしている悪影響を書いています。

ご興味あれば、続きをご覧頂ければと思います。

本心と周りへの悪影響

 




マニピュレーターの被害に遭う原因とは?

ではマニピュレーターの餌食になってしまう、その原因を学びましょう。

何故私達が彼らの被害に遭ってしまうのかと言うと、それらは大きく4つに分類されています。

マニピュレーター被害の要因4つ

  • 攻撃されていることに気付かない
  • 傷ついているのは相手なのだと思わせてくる
  • 普段から意識しているようで意識していない弱点を突く
  • 問題があるのは被害者自身だと思わせてくる

 

 

 

①攻撃されていることに気付かない

そもそも相手の攻撃方法は、それと分かるほど明確なものではありません。

被害にあってしまう人は、相手が自分を追い詰めて支配下におき、こちらを思い通りにしたがっていることに、薄々気づいてはいるのです。
そして無意識のうちに脅威だって抱いています。



でも、

何故相手が自分に敵対するのかが分からないんです。
客観的で明白な理由が見当たらず、自分の直感に素直に耳を傾けることができなくなってしまうのです。

 

②傷ついているのは相手なのだと思わせてくる

マニピュレーターが用いる策略は極めて効果的で、それは巧妙に仕組まれている手口です。
そしてこの手口を見抜くのは容易ではありません。

 

こんな考え方は危険!

「負い目を抱えているのは実は相手の方なのではないか?」
「単に、自分の身を守るためにやっていることではないか?」
「こちらに気を遣ってくれるあまり、あんな言動に及んだのではないのか?」

など。

私たちは一度、
「騙されている?」
「つけこまれている?」
と、疑うことはするものの、「自分の勘違いではないのか?」と、思い直してしまうことがよくあります。

なので、
被害者は無意識のうちに常に受け身に立たされています。
受け身側であるが故に、相手のかけひきは益々効果が高まっていくのです。
受け身の状態で取り乱してしまうものなら、冷静に対応することなど不可能です。

そしてこの悪循環に陥ったら最後、相手の手のうちを見抜くのは更に困難となっていく・・・。

 

③普段から意識しているようで意識していない弱点を突く

弱点や不安は誰しもが抱えているもの。
なので、マニピュレーターはその弱点に目をつけます。

ここに注意!

自分の弱点に意識的ならば、つけこまれていると気付くことができるでしょう。
しかし、自分の弱点と言うのはすぐに頭から抜け落ちてしまうものです。
私たちは、自分の一番の弱みについては無自覚すぎるのかもしれません。

マニピュレーターは、被害者本人よりも被害者の性格に通じようとしてきます。
そしていずれは、その弱点の押しどきや押し加減にも精通するようになります。

自己認識が甘いと、簡単に彼らの餌食となります。

気をつけてください。

 

④問題があるのは被害者自身だと思わせてくる

「直感のレベルでは、マニピュレーターなのだと気付いている・・・」
けれど、それが本当に正しいのかどうかは正直分からないですよね。

例えばもしかしたら、
「単なる恐怖や不安によって感じたものなのではないか?」
「それとも今自分は、情緒不安定なのではないだろうか?」
「いや、この人はただ単に自己不信に苛まれているだけか?」
と勘違いしているだけかもしれません。

そもそも人と言うのは、誰だって「自分は無神経で思いやりにかけた人間だ」とは決して認めようとはしないのです。
否定的な判断を他人に下すことはためらってしまうし、
できれば疑いたくもないし、誰も罰さずに事をおさめたい。
自分が思うような悪意など、相手は微塵も抱いていないと信じたい。

注意!

直感に従って相手をマニピュレーターだと決め付けてしまうと、多くの人は罪悪感を感じます。
そんなことを考えてしまう自分自身に疑いを向けてしまい、そんな自分を責めてしまうのです。

「相手もそうだけど、自分にもそれなりの原因があるのではなかろうか?」と。



 

さて、これらをよくよく見ていくと

被害者を含め、人が相手の術中にはまっていってしまうのは仕方の無いことだと分かるはず。

しかしかといって、マニピュレーターがやっていることは到底許されることではありません。

是非今回の4つの要因を参考にし、何か自分に思い当たる節はないか探してみてください。

 

続きの記事として、

マニピュレーターについてもう少し掘り下げる為、「勝つことにこだわる父親」について書きました。

一例としてご紹介しておりますので、興味があればご覧頂ければと思います。

勝つことにこだわる父親の話

 

 

 

また、マニピュレーターの対策を早く知りたい方は、

マニピュレーターが好む行動について書かせて頂いておりますので、コチラからご覧下さい。

マニピュレーターは、いくつか支配の仕方が異なる性質をもっているものなので、お役に立てるかと思います。

 




マニピュレーターとは?

今回学ぶこと

●マニピュレーターとは?

・心を支配しようとする

・どうしてこんなことをするのか?

・原因を悟る時

 

心を支配しようとする

 

マニピュレーターとは、

人を追い詰めることにより、その心を操って支配しようとすることを言います。

 

例えば・・・

  • 「期待しているよ」
    そう励ましながら、密かに部下の昇進を握りつぶす上司がいる
  • 「アイツが部長の悪口言ってました」
    上役に気に入られる為に、密かに同僚を陥れるヤツがいる
  • 「好きなのはお前だけだよ」
    愛を口にして気遣う夫・妻は、相手の人生を思いのままにするのが目的かもしれない
  • 「どうしてパパはいないの?」
    親の心の弱みを知る子供は、自分のわがままを押し通す為、ごく稀に親の心の急所を突くこともある

 

彼らは、表向きはとても人当たりが良く、とても穏やかであることが多い。

しかし、

その素顔は悪知恵に溢れ、相手に対して容赦をしない
ずる賢く手口は巧妙。人の弱点に付け込んでは抜け目無く立ち回る。

支配的な立場を我が物にしたいが為に、彼らは闘い続けます。

そしてその一方で、好戦的なその意図だけは、とにかく他人の目から隠そうと必死になることがよくあります。

人を貶め、相手を思いのままに支配しようとする行為は、
いかに広く社会にはびこっているでしょうか?
いかにそうした行為によるストレスが、人間関係に及ぼされているでしょうか?

 

他人を思い通りに操ろうとする者のことなら、誰もが何かしらの心当たりがあるはずです。
テレビでもおそらく見たことがあるのではないでしょうか。

 

 

例えば・・・

  • 愛と誠実と慎みの大切さを説いていたあの人は、その傍らで妻を騙して不貞を働いていた。更に、その信者から金を巻き上げていた。
  • 国民への奉仕を誓っていたあの人は、私腹を肥やしており逮捕された。
  • 精神的指導者のあの人は、自らを神の化身だと説いた。
    それに異議を唱える者には、罰を与えた。

 

このように、世間はこんなとんでもない人で一杯です。
「まさかあの人が・・・」と、興味を持ってしまうのは当然でしょう。
だけど、そんな興味に心に奪われ、肝心の注意をお留守にしてはなりません。

私たちは普段テレビなどで、このようなニュースを目にしています。
そして言うんです、「まるで怪物だな」と。

しかし、”怪物”という印象でまとめてはならないのです。

 

思い出そう!

職場の同僚や知人や家族のような身近な人達が、実は”怪物”だったりします。
悪知恵が凄まじく、陰口が大好き。
簡単には信用してはいけないんです!

 

どうしてこんなことをするのか?

私たち被害者は、どう足掻いても相手の本性が理解できません。
そしてその応じ方すら分かりません。
ただ一方的にいたぶられ、悲嘆にくれるより他はないのです・・・。

 

そして・・・

私たちは分からなくなります。

「どうして自分の気分がこれほど激しく落ち込んでいるのか?」
「アイツと向かい合うと、何故か怒りが込み上げる」
「アイツがどうしても信用できない、その理由が分からない」

分からないんだけど、猛烈な怒りを感じても、最終的に罪悪感だけ残っちゃう。

 

 

闘おうと決めたのに、結局は自分がやり込められている。
一歩も引かないと決めたのに、やはり何故か押し切られる。
断ろうと決めたのに、「YES」という言葉が口に出る。
なんとか状況を変えようと思っていたのに、何一つ変えることができない。

そんな自分に腹が立ち、そして苛立ちは増すばかり。
いいように利用されるだけで、最後は必ず辱めを受ける。

そんな日々から、いい加減終止符を打てないものでしょうか?

 

原因を悟る時

 

そんなあの人だけど、あの人の事情をおもんばかってきた。
できればそんなあの人の性格を理解した上で、どうにかしてあの人の振る舞いを正そうとした。

だけど、そんな思いとは裏腹に、何度試みてもあの人の言動は変わらない。
今日の努力も、いつも通り無駄に終わっていく・・・。

私たちはよく、こんな惨めな思いに苛まれることがあります。

しかし、実はこの繰り返しが、私たちを苦しめる原因です。

やばい人だと分かった上で、その人格を理解した上で対応しようと試みても、これという成果は得られないのです。
そればかりか、さらに状況は悪化していくことだってあります。

もう従来の方法では、解決には至らないのでしょう。
根本的に、何かが間違っているのかもしれません。

 

なので次回は、マニピュレーターの被害に遭う原因とは何か書いてみました。

気になる方は是非マニピュレーターの被害に遭う原因とは?をご覧になってください。




カバートアグレッションを撃退するには・・・

今回学ぶこと

●私達自身がやばい人にならない為に・・・

・目標・・・やばい人を卒業する

カバートアグレッションの特性をある程度理解できたら、あとは対処方法だけです。

ただし、どれも難しいかもしれません。

ご自身に合っているものがあれば、是非お試しください。

 

①限界ラインを決める

 

 

自分の中で、「これだけは守りたい」
というものを作りましょう。

月に2回は○○をしたい
月に1回は親に顔を見せに帰りたい
などなど、譲れないものを事前にしっかりと相手に伝えておくのです。

そして更に予め、
「これを脅かされたら、こう対処する」というのも決めておくと尚良しでしょう。

 

ポイント

これらは避難訓練と似ています。

事前に練習していないと、いざカバートアグレッションの人と対峙した際にパニックに陥るのです。

 

②相手の戦略を意識する

 

カバートアグレッションの人は、感情や罪悪感を訴えて支配しようとしてきます。
その為、自分が悪者であるかのような気分になってしまいます。

それを取り除くには、
相手が一体何を求めているのだろうか?
自分をどうコントロールしたいのだろうか?
と、相手の狙いを意識することが大切です。

注意

罪悪感を感じてしまうと、どうしても強く出れないし冷静にはなれません。
だけど、「相手は自分をコントロールしようとしている」ことが分かれば、一気に冷めてしまって対応がしやすくなります。

相手の狙いが理解できたその時点で、相手の戦略の半分を崩すことができるでしょう。

それでも、相手が本当にコントロールしてきているのかどうかは分からないことが多いです。

しかし覚えておきたいのは

カバートアグレッションの人は
必ず私たちを明確にどこかへコントロールしようとする

そんな事実です。

 

ご参考に

「詳しくは分からないけど、コントロールしてるんだろうなぁ
たぶんこっちの方向に話をもっていきたいんだろうなぁ」
と、ぼんやりとでも考える癖をつけておきましょう。

「おや?これは怪しい」
と思ったら、わざと逆のことを言って反発されることを言ってみるのも1つの手。
反発してきたら、「この逆の話にもっていきたいんだな」と分かります。

 

あえて乗せられるのも有りです。
そうすると、相手もテンション上がってきます。
内心では、「しめしめ・・・」と思っているに違いないでしょう。

このように、カバートアグレッションの人達とはまともに対峙してはいけません。

ゲーム感覚で楽しみましょう。要は心理戦です。

 

③言い訳は一切認めない

 

カバートアグレッションの人に少しでも譲歩してしまったら終わりです。

ガンガン自分のペースにもってこようとするし、好き勝手に正当化してきます。
こういうのはあとでいくらでも言い訳がきくので、これで闘うとかなりキツイです。

 

ですので、もしも「わたしはあなたの為にやったのに」と言われたら、
「それでも、オレには伝わってなかったし実際こういうことしたでしょ?
確かにあなたの気持ちは分からなかったけど、あなたも俺の気持ちわからないでしょ?」
というように、基本的に行動だけで判断を行い議論を行うようにするのです。

ポイント

「殺す気はなかった」
「でも殺しちゃダメだよね」
と同じです。

言葉ではなく、行動を見る癖を身につけるようにしましょう。

 

④ダイレクトに要求をする

 

遠まわしの嘘や、内部をぼかしたような発言は全部無視してください。

カバートアグレッションの人は
譲歩してほしかったり、曖昧化して会話を操ったりしてきます。

「きっと分かってもらえる」
「どうか分かってほしい」
というエゴを常にもっていたりするので、そんな相手にはダイレクトに
「俺はこれを聞いたんだけど、それについてはどうなの?イエスなの?ノーなの?
というように聞きます。

何故ならダイレクトに言われる、つまり言質をとられることをカバートアグレッションの人は滅茶苦茶嫌うから。

 

参考

想いを伝えるために言葉があるのに、
それをきちんとしないで「想いを理解して欲しい」は大変虫がよすぎる話

 

⑤一定の距離を保ちつつ、Win-Winを狙う

 

それでもどうしても、カバートアグレッションの人と付き合わなくちゃいけなかったりします。
ただ彼らに「手ごわいな」と思わせるだけで基本的には事は済むのですが、一度カバートアグレッションの人に嫌われるとチョー面倒です。

カバートアグレッションの人の特徴として、彼らは「負けること」を滅茶苦茶嫌います

都合のいいところだけ正当化し、「自分は負けてない」と最後まで主張してくるのです。
追い込みすぎると、激しく抵抗をしてきます。
これだともはや消耗戦になります。本当時間の無駄です。

なので、
自分が決めた限界ラインを超えないところは、しょうがないので全部譲ってあげましょう。
相手に華をもたせてあげて、Win-Winの関係を築くのです。

 

例えば、奢ってもらう気満々の女の子から、「ご飯に行きたい」と誘われたとき。

席につくなり、
「私は芸能人で友達がいる」
「お金持ちの知り合いがたくさんいる」
「絶対あの人は私のことが好き」
などなど言って来るような人とLINEを交換しようものなら、大変なことになってしまいます。

ここで我慢できずに、
「いやいや、君に魅力なんてないし無理だし。というか息をしないで」とか言うと、激しく抵抗してきます。

ここで思い出してもらいたいのは、自分が決めた限界ラインです。
要するに、自分に被害がなければいいわけです。
プライドを傷つけず、関わりを断つ行動を考えましょう。

例えば、
「え?でも絶対モテるよね?芸能人と付き合ってそうじゃん。
だから俺なんかと飯行ってる場合じゃないじゃん。
他にも沢山いい人いるんだから、そっち行きなよ!」

のように、その場で煽ててあげるのも有効でしょう。
華をもたされると、相手は何もいえなくなってしまうから

 

参考

その場で煽てるくらい我慢しましょう。
周りから見れば、「大人だな」って思われるでしょうから。

 

 

 

さて、いくつかカバートアグレッションの人の対策方法を述べてきましたが、

お分かりかと思いますが、日常的にやらないようにしてくださいね。
「ねぇ、YESなの?NOなの?ねぇ?」
とか誰にでも言ってると、ただの嫌なヤツです。

また、カバートアグレッションの特性は状況次第では誰でも当てはまります。
ですので、無意識的にやっちゃうこともあります。

せめてここだけ!

とにかく、
相手をコントロールしようだなんて思わないでくださいね。

やべえ奴には絶対ならないでください。