子供の頃から取られていた当たり前の行動が、良質なコミュニケーションを妨げている
きっと多くの人は、価値観や考え方の異なる様々な方とコミュニケーションを図っていきながら、仲良くなりたいと考えています。
当然私達は人間なので、
たまには誰かといざこざがあって、うまくいかないことだって沢山あります。
でも、
「嫌われるのが目的で誰かと接そうとする人なんて居ないんや!」
というのが一般的ですよね。
わざわざ意図的に人を突き放すような行動を取るような人って、果たして存在するのでしょうか?
他者と距離をとる為に、貴重なエネルギー使ってしまう人とは?
悲しい話ですが、世の中の全ての人々が愛情に満ちた親密な関係を築けるとは限りません。
パートナーが中々見つからず、困っている人が居る
深い人間関係を築けない人が居る
というように、自分が望んでいる関係を築けずに苦しんでいる人はたくさん居るのではないでしょうか?
今回考えていくこと
自分自身の無意識行動の『自己防衛戦略』が災いし、理想の関係が中々築けないのではないか?を考えていきます。
自己防衛戦略が私達の足を引っ張っている?
まずここでいう自己防衛戦略とは、自身の「感情」「思考」「認知」「願望」に鈍感になる行為のことを指します。
「現実に近づかないようにする行為のことだ」と捉えると分かりやすいかもしれませんね。
例
上司にひどく怒られてしまったとき、感情がひどく高ぶりますよね。
私もそうですが、大抵の人は「しばらく誰にも会いたくない。そっとしておいて欲しい」などと考えてしまうのではないでしょうか?
この行動は自己防衛の1つに数えられます。また戦略としては、完全に間違いであるとは言いません。
しかし、この自己防衛戦略を無意識にやってしまっているなら話が変わってしまいます。
一度「怒られた」と感じた瞬間に、無意識に「誰にも会いたくない」という反応を毎回やってしまうと、必要のない状況でもやってしまう可能性が出てきます。
つまり何が問題なのかと言うと、
自分自身の内面と必要以上に距離を置いていると、徐々に生活の質と生きる意欲が減っていってしまうということと、
そして現実の人生と必要以上に距離を置いていると、周りがよく見えなくなってしまうことです。
これも知っておこう
普段から自分自身を見ないようにしている人は、大きく息を吸わなくなります。
そう考えれば、呼吸を滅多に意識することがない人は、よく自分から目を背けてしまっているのかもしれません。
自己防衛戦略は、困難を打開する上では賢明な策になることもあります。
しかし、特に子供時代に自己防衛(現実逃避)を多用してきた人は、大人になっても過度に無意識に自己防衛をすることがあるのです。
自己防衛戦略を多用すると、どんな問題が生じるのか?
念のためお伝えしておきますが、これから無意識な自己防衛戦略を学んでいくのは、自分自身や他者、そして自分の人生と少しでも距離を縮めていくようになることです。
日常の一部になってしまっている、沢山の戦略たち全てをやめることは難しいかもしれませんが、「この戦略に近いことをやってしまっているかも?」と考えながら読み進めていかれてください。
では何故、自己防衛の戦略を多用するのがまずいのかを学んでいきましょう。
例えば、
就職活動中に何度も面接に落ちて就職先が決まらない場合、現実を忘れる為に、私達は良く自己防衛をすることがあります。
家で映画を見たり、
ショッピングに出かけたり、
好きなものを食べたり・・・。
このように現実から離れることで休息を取ることがよくあるはずです。
こうすることで「次も頑張ろう!」ってなりますからね。
しかし、現実から長期間離れていることをすると、様々な問題が発生することがあるのです。
何回も面接に落ちてしまったりして、中々就職先が決まらないとき・・・
「なんて自分はダメなんだ」
「受けいれてくれなくて悲しい」
などなど厄介な感情も気付かぬうちにどんどん生まれてくるものです。
にも関わらず、毎回それらの感情から距離を置いていると、自己と距離を置きながら生きていくことになってしまいます。
このようにネガティブな感情と付き合っていき方を、現実から距離を置く方法しか知らないのならば、非常にまずいですよ!
すぐにストレスを感じたり、最悪生きる活力を失うかもしれないのです。
重要!
感情と向き合わない期間が長くなってしまっているのならば・・・
どこかの時点で必ず感情と向き合う(現実と向き合う)機会を見つなければなりません。
さもないと、
自分が現実と向き合っていないことにすら気付けなくなります。
自己防衛戦略は子供の頃から取られている
私達がよくやってしまう自己防衛のほとんどは、子供の頃から取っているものばかりです。
例えば、両親から「注目されない」と感じている子供が居たとします。
幼い子供にとって、両親と愛着な関係を築いていけないことは死活問題。
なので当然、親から注目されようと子供は一生懸命になります。
母親は、部屋を掃除したり、お風呂掃除をしたら子供を見てくれる
父親は、勉強をしたり、コーヒーを入れたら子供を見てくれる・・・
そんな親子関係を築きながら育ってきた子供は、
大人になってからも感情を中々表に出すことなく、「誰かに注目されたい」という一心で行動するようになっていきます。
確かに、他者にうまく注目できる能力は今後役立つこともあります。
しかし問題なのは、「本当は自分にも注目して欲しい」という心の叫びに、中々気付けないことにあります。
そもそも人間というのは、自分のことを話したい生き物です。
注目してもらいたいが為に相手の話をひたすら聞くのも構いませんが、そんなことでは延々と話し続ける相手に対してイライラしてしまうのがオチ。
こういう人は、
本当は自分のことを話したい欲求を感じているはずなんです。
だけど、頭に浮かんでもすぐに打ち消してしまっているのでしょう。
このように、
かつて自身の心を守っていた行動パターンが、今現在の人間関係を築く妨げになっていることが滅茶苦茶多いのです。
無意識な自己防衛戦略が当たり前になってしまうとやがて、心が助けを求めていることに気付きづらくなるので、これでは色々な問題が発生してしまいます。
そんなこと言われると、
じゃあその人に、「本当は注目されたいんだよ」って教えてあげたらええやん!
と思われるかもしれませんね。
だけどもしもその人に、
「自分は子供のときから今まで、注目して欲しいという欲求を無視してきたのか・・・」と何も考えずに気付かせてしまったらどうなると思いますか?
きっとその人は感情が高ぶってしまうに違いありません。
自己防衛戦略のポイント
長期間無意識に自己防衛戦略をとってきた人は、それ以外の方法を知りません。
つまりこのケースで言うと、
「相手に注目することを辞めてしまうと、誰も自分を見てくれないのではないか?」と、無力感や不安に襲われてしまうことは間違いないのです。
そういう落ち着かない状態のときに、人間は新たな関係の築き方を知ろうとするのでしょうか?
いいえ、ほとんどの人は抵抗するはずです。
このことから、大切なのは自分の感情としっかり向き合うことが重要であることが分かります。
次は、定期的に感情と向き合っていかないとロボットになるについて書いていますので、参考にしてみてください。