相手を説得するテクニック 「コントラストの原理など」
意外と身近で使われている説得テクニック達
コントラストの原理
コントラストの原理とは
例えば、
始めに軽いものを持ち上げて、次に重いものを持ち上げると、
2番目の重いものだけを持ち上げたときよりも重く感じてしまう。
最初に魅力的な人と話をして、次に魅力的ではない人に会ってしまうと、その人が実際以上に魅力が無いように感じてしまう。
つまり同じものであっても、その前に起こった出来事次第で全く違ったものに思える現象のことです。
実はこのコントラストの原理は、身近でよく使われているものなのですが、そんなこと急に言われても中々ピンとは来ませんよね。
しかしそれもそのはずです。
このコントラストの原理は比較的簡単に誰でも扱え、機能させられる。
その場面を自分の為に組み立てているという形跡を全く見せずに、その武器を利用することができてしまう。
そしてうまく機能してしまえば、中々気づくことはできない・・・。
そう。故に悪用されないとも限りません。
例1
あなたが紳士服の店員さんだとしましょう。
スーツとシャツを探し求めてるお客様が来店しました。
ではこのとき、スーツとシャツのどちらを先に見せれば両方買わせることができるでしょうか?
お分かりの方も居られるでしょうが、紳士服の販売店では高い品物を先に買わせるように指導しています。
まずは高いスーツを買わせる。(ここでコントラストの原理が働く)
するとシャツを選ばせるときに、比較するほど高くはないように感じさせることができるのです。
(その他、靴やベルトやセーターにももちろん使えます)
例2
自動車を買うときにもコントラストの原理はよく見られます。
新しい車の売値を決めてしまってから、最新のオプションを次から次に勧めてしまうのです。
何百万という取引の後ならば、最新の付属品に払う数万円は取るに足らない額に思えてしまう
一見すれば些細な額のオプションを加えた場合でも、
最終的な価格は跳ね上がってしまうというのにも関わらず・・・。
つまり、コントラストの原理を使えば
先に提示する商品の価格次第で、同じ商品の価格を高くも安くも感じさせることができるのです。
「カチッ・サー」
「カチッ・サー」とは
頼みごとをされる際などに、例え理由らしい理由を述べていなくても、自動的に頼みを聞いてしまう現象のことです。
例1
例えば、
あなたはコンビニにあるコピー機を利用したいが、行列ができてしまっています。
とにかくすぐにコピーを取らなければならないのですが・・・。
このとき、
「先にコピーを1枚取ってもいいですか?」
など言っても、相当優しい人達ではない限りは、先にコピーを取らせてはくれないでしょう。
しかし、
「急いでコピーを取らなくてはいけないので、1枚だけコピーを取らせてくれませんか?」
と言えば、成功率がかなり上がることが分かっているのです。
「~ので」という単語は非常に強力で、これがあるだけでもかなり違います。
例2
例えば、
私たちは権威がありそうな人が言うこと、あるいは指示をそのときの衝動で受け入れてしまう傾向があります。
仮に相手が「専門家」であった場合、この「専門家」という肩書きだけで判断してしまったり、
相手の発言の内容など問題視することなく、ただ納得して同意してしまうこともあります。
要するに、
専門家の話を聞いた(カチッ)
だから納得して同意した(サー)
です。
「高価なもの=良質なもの・・・?」
現代社会の進むスピードはとても速く、その為私たちは私的な重要事項であっても、十分に考えて決断をすることが難しくなってきていると言われています。
上記の「カチッ・サー」という自動的な反応を利用し、使いこなす人は沢山居ます。
例
販売店では売れにくい商品ほど、価格をかなり釣り上げることによって捌こうとします。
実際、これが物凄く効率が良いとされているのです。
その理由は、
あまり疑おうとする人が居ないことと、
「高価なもの=良質なもの」という意識が強いからです。
商品に「値下げ」の付いた札を付けてあげれば・・・あら不思議。
最初の価格で売れてしまうのです!
これらはまさしく、
「高価なもの=良質なもの」という反応を利用していて、更に
「あ、高価なものだ!(カチッ)」
「値下げされてる!買おう!(サー)」
の効果も働いてるからこそ起きているのです。