人にメッセージを伝えるときに心掛けたいポイント5つ
言い争いや議論が行われるときのことをイメージしてみよう。
「~~だからこっちが正しい」
「~~だからお前は間違っている」
のような、攻撃材料を突きつける言い方がよく使われませんか?
攻撃材料が正論であれば、説得力があって一見問題がないように思えますが・・・
たとえどんなに正しいことを述べれたとしても、相手の考えや信念を曲げれることは稀なのです。
「事実だから」とか、「正論だから」と指摘するのは正義じゃない。
どんなに親しい相手から言われても傷つく人は傷つくし、
ましてや職場の人間からベラベラ言われるとかストレスなんですよ。
正論でうまくいくのは、お互いがお互いを心から信頼しているときだけ
つまり、
言葉で相手に意見を伝えるのって結構難しいのですよ。
普段から何も考えずに意見を述べている人ほど、この記事を読み進めてほしいことを願います。
自分の意見の伝え方のポイント5つ
事実や論理では人の意見は変わらない、心は動かせない。
上で述べた通り、
自分が信頼されていなければ、ただ嫌われて終わり。
その指摘が的を射ている意見であるほど、相手は頑なに考えを譲らなくなる。
それらを踏まえ、周りの人たちを上手に動かしていきたいのであれば、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
あなたの助けになることをお約束します。
①情報の取り入れすぎに注意
ある分野の知識を蓄えて詳しくなると、先入観という問題にぶち当たることがよくあります。
どういう意味なのか?
まずはわたしで例えてみますよ。
「朝に瞑想をすると、忙しい日々の中で大事なことに気付く確率が上がる」
「人間関係の悩みは誰もが抱えるのだから、心理学の世界を知っておくのは意味がある」
「お笑いはチョー面白い。得に雑談しているときに、ボケがウケたときは気持ちがいい」
なのにどうしてみんなやらないんだろう?
知ろうと思わないのだろう?
って内心思っていたりするんですよね。
なので、
周囲の人達の意見を聞くたびに「ん?、・・・んん?」ってなることが多いです。
これが、「先入観」からくる問題です。
人間関係に活かせそうな情報を誰かに伝え、反論されたときなんて困りもので、
「悪口を言うのは時間のムダなので、瞑想をやってみたらどうですか?」
「瞑想の効果は他にもありますよ」
「あの有名人も瞑想してるんですよ」
などと、勧める理由を次から次へと思いつき、いかに自分の情報が有益か説得することがあるのです。
しかし、これで相手が話を聞こうとすることはなかったです。
注意
相手を説得する目的で思いついた情報によって、
相手からの反対意見を無視し、ますます「自分は正しい」と頑固になってしまう!
いずれにせよ、
どんなに頭が良くても、相手に何かを期待して意見するのはやめるべきでしょう。
②相手に意見を全部述べさせて、聞く耳をもたせる
他人の意見を聞き入れようとしない人は必ずいる。
他人の価値観を受け入れられない残念なヤツです。
他人の価値観を受け入れない相手に対し、『正論』で立ち向かっても時間のムダ。
反論されたり、無視されて終わり。
そんな人が相手だったら、どんな伝え方であれば意見を聞き入れようとするのだろう?
まず大前提として、相手に聞く耳をもたせたいなら、相手の気持ちを考慮するのが基本。
相手の気持ちを知ろうともしないのに、
「俺の方が正しい」とか、「アイツは話を聞いてくれない」なんて、そもそもやり方が間違っています。
相手の意見を聞くつもりがないのに、自分の意見を述べるのはやめよう。
正論とか事実とか、相手からすればどうでもいいこと。
言いたいことを言ってもらえるように促せるようになれば、人間関係のストレスが減りますよ。
だって、苦手なヤツへの『対策』がとれるようになるから。
苦手な人への対策とは
ここでいう『対策』とは、相手が大切にしている考え方を知ることです。
何を考えているか分からないような、
気持ちの悪いムカつくやつが一人でもいると、ストレスじゃないですか?
そんなヤツから放たれる、
理由の分からない「お前のことが嫌い」が一番面倒。
「嫌い」という考え方は、1つの理由だけでは成り立たない。
相手が抱く別の考え方や欲求、そのときの状況などが絡み合って成り立っています。
なのでどうしても、相手の考え方を洗いざらい話してもらい、把握しておく必要があると思うのです。
ポイント
たとえば、上司から「仕事が遅いから嫌い」と言われたからといって、仕事を早くしても状況は良くならない。
なぜなら、仕事が遅いという理由だけで、普通は人を嫌いにはならないから。
嫌いな理由をそのまま鵜呑みにしないように。
嫌われる理由は、こっちがいくら考えようが答えは出ないので無視します。
それよりも、相手が伝えたくて抱えているネガティブな意見を吐き出させることに専念しましょう。
言いにくいことを言わせることによって、こちらの発言を聞いてくれるようになりますよ。
③その場にあった感情を伝える
自分は楽しくて、相手は悲しい
・・・というように、自分と相手の感情が異なっていたら、同じ話を両者同じように解釈することはとても難しいですよね。
もしも「自分の話を自分と同じように楽しく聞いてもらいたい」ならば、まず初めに冗談なんか言って相手を楽しい気分にでもできれば、おそらく自分と同じ捉え方で理解してくれるでしょう。
しかし、
わたしの上司のように、偉そうに上から物を言う人は、どうやらこれが理解できないようです。
イライラしながら何かを伝えようとしたり、自分の言い分が理解されないと相手を責めてくるんです。
よく、「あれ?今日は元気ないよね」という発言をしてくる。
普段から元気が出るような言動をしないヤツから言われるとマジむかつくわ
相手に何らかの影響を与えるものの1つに、感情を用いる方法があります。
感情の共有は時間も手間もほとんどかからないので、とても便利ですよね。
しかし感情は、良い意味でも悪い意味でも、簡単に伝染してしまう。
感情のコントロールができない人にとっては諸刃の剣
知り合いと話すとき、表情・声色・態度・言葉遣いがいつもより違ったら、「ん?」って思いますよね。
どんなに仲が良くても、相手がイライラしていたら自分もイライラする。
逆もまた同じ。
ポイント
あなたの感情はあなただけのものじゃない。
感情は外部に漏れやすいことを覚えておく!
それに伴って、相手の行動は良い方にも悪い方にも変化するのだから。
④未来をイメージさせるような意見は聞いてもらえない
威圧感を用いて相手に恐怖を与えることで、自分の主張を無理やり押し通そうとするヤツはたくさんいる。
部下に指示を説明するのが面倒だからと、強い主張で切り出して指示した気になるバカ
「自分はお前よりも博識だ」と分からせるため、相手の意見はまず否定するバカ
などなど。
「恐怖で無理やり押し通した方が楽じゃん」
などと思うかもしれんけど、人間には『習性』というものが存在するのですよ。
それは何かというと、
自分にとってプラスだと感じる人間・モノ・出来事に接近する
逆にマイナスだと感じるものは回避しようとする。
つまり、
『快楽に向かって進み、苦痛から遠ざかる』という習性。
平気で恐怖を与えようとするヤツは、この習性を理解していません。
そもそも苦痛を感じる人と関わりたくないのに、
恐怖で無理やり従わせられそうになるとか・・・
ふざけんなって話よ。
恐怖や不安は、人を行動に駆り立たせる感情じゃない。
退かせたり、凍りつかせたり、放棄させたりする。
つまり、相手とケンカしたいときに使うヤツです。
恐怖や不安を与える言葉
「このままだと、良い会社に入れないよ」
「このままだと、結婚できないよ」
などなど。
将来の危険を呼びかける発言をしても、
相手はやる気を失い、行動させるよりも固まらせてしまうだけ。
勉強させたいなら、
「あなたは英語が得意だから、一度海外にでも行けばやりたいことが見つかったりしない?」とでもいえばいい
「勉強しなかったら良い会社に入れず、負け犬のような人生が待っているよ」
・・・こんな発言、いったい何の役に立つの?
将来の危機感を与える「ムチ」を使う理由とは
将来のことばかりに目が行っているような人は、
恐怖で周囲に影響を与えようとしてしまう癖があります。
その理由は単純です。
普段から現在に目を向けられていないから。
未来の相手と話をしてるの?
現在の相手を見ながら会話ってするもんでしょ?
勝手に相手の未来を想像しないでください
現在の相手を見てあげてください。
相手は他人からどんな話を聞きたいのでしょうか?
暇を持て余している人は、楽しい話。
悩んでいる人なら、「事態を好転させられるかもしれない」という『期待』じゃない?
期待感を相手に与えられる言い方ができるようになれば、相手はきっと行動してくれるでしょう。
⑤悪い情報よりも良い情報が聞きたい
たとえ伝える内容がネガティブでも、誰もが前向きになれるようなメッセージを伝えられたら何も問題はない。
論外なメッセージの代表例が、
「君のこういうところが問題だ」
「あなたのために言っている」
「君は気付いていないだろうけど」
みたいな、一見重要そうな内容でも、気の滅入るような意見なんか誰も聞きたくはないんですよね。
とはいえ、相手にとって悪い情報を伝えなければならないことは頻繁にあるワケで。
そんなときは、
より慎重に「どうしたらこの情報を聞きたい気持ちになるのか?」と考え直さなきゃいけない。
「悪いこと言われそうだな」って思われたらおしまいです。
「アイツは俺のことをわかってくれない」などと腹を立てることもあるでしょうが、
気持ちを伝えるのって、すごく大変なこと。
「オレの言ったことは分かってもらえるんだ」
そう考えること自体、そもそも自惚れ発言なんですよね。
冷静に相手を眺めてからメッセージを考えよう
恐怖ではなく希望を導き出すメッセージを再構築していくコツは、相手の情報収集にかかっています。
「どんな話に興味があるのか?」
「良い所はなんだろう?」
「現在感情的になっていないか?」
などが重要な情報です。
ある程度情報を集めたら、
「○○なところが問題だと思いますが、○○なところは尊敬できるし、私は好きです」
などと、問題点と相手の良いところを織り交ぜるような感じでメッセージを伝えてみてください。
相手がストレス状態のときは?
人はストレスを抱えると、危険を察知する能力が上がってネガティブになりやすい。
問題点と希望が混ざったメッセージを伝えたとしても、問題点にしか目が向かなくなることもしばしば。
そんな人に向けた有益なメッセージは考えるだけムダ。
日を改めるか、諦めましょう。
まとめ
意見を頭で考えたり、実際に述べるのは自由。
ただの雑談ならば好きに喋っても結構だけど、重要なことを伝えたいときは今回学んだことを意識してください。
最重要ポイントをまとめておきますので確認してください。
メッセージを伝えるときは・・・
- 説得を目的とした意見は相手の言い分を無視してしまう。心は動かせない
- 自分の意見を述べる前に、まずは相手の意見を聞きましょう。相手の気持ちを考慮するのは基本中の基本。
- 気の滅入るメッセージは誰も聞きたくない。相手に伝えるメッセージは、相手を冷静に眺めて適切な内容にする
- 相手の心に余裕がなく、ストレスを抱えていそうなら、重要なことを伝えても聞いてはくれない!
- 「このままだと〇〇だぞ」というメッセージは、行動を促すものじゃない。 『今』の相手が期待しているメッセージを送ろう
- 自分の感情次第でメッセージの捉え方も変わる。感情的になりやすいのであれば、せめて言葉遣いを改めましょう
現代において、人に好かれる能力を身につけておいて損はない。