騙されないで!みんながやっているから正しい訳ではない
テレビ番組でよく使われている、「笑い声」から学べること
どこが面白いのか分からないところで「笑い声」が使われていたり、
頻繁に笑い声が使われていると、多くの場合不快感をもってしまいます。
にも関わらず、何故「笑い声」は頻繁に使われているのでしょうか?
しかしその理由を、多くの人はなんとなく分かっているはずです。
笑い所で「笑い声」を使うと・・・
①観客の笑う回数が増えたり、笑っている時間が長くなったりする。
②ネタは一層おもしろくなり、つまらないジョークのときこそ「笑い声」は特に有効である
こう考えると、特にお笑い番組で利用されているのも筋が通っていると言えますね。
だけど、ここでまた更に疑問が浮かびます。
私たちは、
本物ではない録音された笑いであると気付いています。
人工的に作られたものであるとはっきり知っています。
なのにどうして、「笑い声」は私達にこうも影響を与えてしまうのでしょうか?
それを解き明かすカギとなるのが・・・
『社会的証明の原理』の存在です。
社会的証明の原理とは、
特定の状況下において、ある行動を遂行する人が多ければ多いほど、「これは正しい行動なのだ」と判断してしまうことを言います。
他のみんながやっているならば、「正しい行動なんだ」というものは普通はうまく機能してくれます。
だってその方が、それと反対の行動をとるよりも間違いを犯すことが比較的少ないからです。
大抵の場合、それを多くの人が行っているのならば、それは正しい行動とされますよね。
だがしかし・・・
社会的証明の原理、つまり周りと同じ行動をしていれば、行動の仕方を手っ取り早く決められて楽。
しかし、これに頼りすぎると痛い目をみます。
さきほどのテレビで使われている笑い声で言えば、
面白いかつまらないかどうかを他人の笑い声から判断することが愚かということではありません。
問題なのは、
偽者であると分かっているのに、それがまるで本物の笑いであるかのように反応してしまうことです
ココを抑える!
「みんながやっているから、この行為は正しい」と仮定してしまう私たちの傾向は、色々な場面で悪用されてしまうことを覚えておきましょう!
いくつか例を見てみましょう。
例1
募金活動の場合。
前もって募金箱にお金を入れておけば、募金してくれる頻度も高まります。
もしくは、街中にサクラを仕込んでおいて、打ち合わせどおり決められた時間に前に進み出て証言と募金を行わせます。
例2
広告でよく見かけると思いますが、
「この製品は、今後かなり伸びていきます!」
「一番売れています!」
といったことを強調しているものが多いですよね。
だってそうすれば、製品の良さを直接分からせる必要などないからです。
そして既に購入をした方々の氏名を読み上げたりすれば、
「御覧なさい!みんな購入しています!これを買うことは正しいことに決まっているんです!」
という、非常に効果的なメッセージを未購入者に与えることもできます。
例3
お店の経営者の人の中には、まだお客さんを入れる余地があるのにも関わらず、入場制限をして「あえて」外に行列を作らせて、お店の質の高さを示そうとしたりします。
上でご紹介した例はどれも、目に見える社会的証明をでっちあげています。
今回のまとめ
- 「多くの人がそう考えている」
たったこれだけのことなのに、それは十分な証拠であると思わせることが可能 - 「自分はこれからどうしていくべきなのか?」の問いに対して、自分で決めれる人はほとんどいない。
大抵の人は、他人を真似て決める人 - 結局私たちは、他人の行動には敵わない