社会的ルールに騙されない為に・・・。 戦略と対策
ある日、「家庭防火協会」と名乗る男性から電話がかかってきました。
話の内容というのは、
「私たちは家庭でできる防火対策をお伝えしています。
ご自宅に危険箇所がないか無料で点検させて頂き、そして無料で家庭用消火器を差し上げています。
完全無料で行っているのですが、いかがでしょうか?」
というもの。
ちょっと興味があったあなたは、このサービスを受けることにしました。
そして男性が一人、あなたのご自宅にやってきました。
この男性は、
・火災の危険箇所が無いか調べてくれた
・どの程度火災の危険性があるか教えてくれた
・消火器を1つプレゼントしてくれた
そして最後に、
「家庭用火災報知機を設置して頂ければ、いざというときに安心ですね。
それ以外は何も問題ないと思います!
また何かあれば、お気軽にお呼びくださいね!」
と言い残し、男性は去っていきました。
めでたしめでたし。
・・・で終われば、
将来もしもその男性が援助を必要していると分かったら、社会的ルールに従い、喜んで何かお返しをしようという気持ちになりますよね。
そうした厚意のやり取りこそが、私たち人間の心をとても温かい気持ちにさせてくれます。
まさしく、返報性のルールの素晴らしい伝統です!
だがしかし・・・
ほとんどの場合、こういう話は違う結末を迎えるもの。
そう・・・
検査に来た人が、自社の高価な火災報知機を買わせようと、製品の紹介を始めます。
(それが仕事でしょうから、まぁ仕方はないのですが・・・)
要するに彼らは、
「消火器を無料で渡し、家の点検も無料で行ったのだから、うちの会社に義理を感じてくれるだろう。」
と期待して、その場で購入を促すのです。
もしもわたし達がこのような状況に陥り、
高価な商品を売りつけることが相手の主な目的であると気付いたとき、どう対応したらいいのでしょうか?
ご安心ください。あなたがやることはとても単純です。
相手の目的に気付いた場合の対応
まず行うのは、状況の再定義です。
おさらいしましょう。
あなたが受け取ったのは、
「消火器」「防火の有益な情報」「危険箇所の点検」という、贈り物ですよね。
ですのでこの「贈り物」を、「販売の手段」と考え直すとどうでしょうか?
販売の手段であるならば、もちろんあなたの選択は自由になります。
商品に魅力を感じたのなら購入すればいい
必要なければ断ればいい
何故なら、
「厚意」はセールスの戦術に対して返すものではないからです。
こう考えれば、少し冷めた気持ちになりませんか?
しかし、まだ気を抜いてはいけません。
「友人の紹介でも・・・」と相手が繰り出してきた場合も、冷静に先ほどと同じ方策を使ってください。
そしてしっかり確認してください。
「相手は本当に、先ほどの「購入してください」という要求を引き下げたのか?」
そうでなければ、それは本当の譲歩とは言いません。
ここまでくれば、あなたはもう不適切な恩義に惑わされることは無くなるはず。
そして、
防火器具や情報という贈り物が、あなたを丸め込む為の道具だと分かったら、その道具を用いて自分の利益にしてもいいとは思いませんか?
「無料で差し上げます」と相手が言うのだから、何でももらっちゃいましょう。
あとは丁寧にお礼を言い、笑顔で優しく玄関の外へお送りするだけ。
はい、おしまい!
摂取には摂取で、しっかりお返ししてあげましょう❤