父親の本心を暴く
~「娘の為に」という名の暴走~
「ただ娘の為に最善を尽くしたいだけなのだ」
と、夫は何度もこう語っていました。
しかし、それは嘘です。
妻と、そして自分を欺いているのだから。
夫の本当の目的
夫は心から娘の幸せを願っていると思い込んでいたようですが、実は周囲に対して、
”娘の将来を熱心に考えている父親”なのだと印象付けたいが為に最善を尽くしていただけ。
本当に夫が望んでいたものは、
娘のオールAという成績だけだったのです。
この手のタイプの人は、望んできたものは必ず手に入れてきたような人物です。
自分は常に正しく、自分の方法こそ唯一の正しい選択だと信じきっています。
そしてこの手の考えの持ち主は、仕事では中々のやり手であることも多い。
参考
しかしそれを完全主義だと評価するのか?
もしくは強引で押し付けがましいと評価するのか?
反応は人によって当然違ってきます。
いつも自分の流儀を押し通し、譲歩や遠慮を知らない。
望みのものを手に入れるまで突き進むタイプではありますが、時にはそれが良い結果となることもあるでしょう。
しかし、この夫のように
突き進んでいいタイミングを誤ったり、状況を読み違えてしまったり、
控えなければならない場合にも関わらず、言動が激しさを増してしまうのは危険です。
また、家族では夫のイメージが常に反映されるものだとも考えています。
周りから見て、娘の印象がよければ父親のイメージも高くなるだろうし、
それなら娘は、父親のその良きイメージを周囲に伝えるのが義務なのだと決め付けていたのだから。
つまり、
「自分が周囲の目から、どう映っているのか?」
とにかく自分のイメージを気にしていたのです。
そんな強い思いがあるのにも関わらず、人の考えなど蚊帳の外。
とにかく自分のことだけ没頭します。
つまり、
彼が心から娘を思いやることなど、無理な話だったのです。
ここで妻や娘を苦しめたのは、
夫の思いやりと気遣いに隠れた攻撃です。(潜在的攻撃性とも言います)
隙あれば、自分の考えを誰にでも押し付けていた夫の行動が、問題を引き起こしていました。
表面上はいい父親を演じてはいますが、無意識に感情的な支配を家庭に及ぼしてしまっているのです!
因みに・・・
娘は毎晩、同じ悪夢にうなされているそうです。
その夢は、誰かが父親を傷つけようとしている内容でした。
その理由は、娘は無意識のうちに、
「父親を傷つけたい」 「死んで欲しい」
と願っているから。
娘は娘で父親の無慈悲には本能的に気付いてはいますが、
父親に正面からそんな気持ちをぶつけられるタイプではないのでしょう。
夢の中であれば、心置きなく自分の感情をさらけ出せる
おそらくそういうことなのでしょう・・・
では何故妻は支配されてしまったのか?
妻自身、心の内では夫の理不尽に気がついてはいたはずです。
なのにどうして彼女は夫に操作されて、夫の考えに同調していったのでしょうか?
二人は夫婦です。
実は夫は、妻が口にしそうな反対意見を黙らせる方法を心得ていました。
例えば
妻が主婦や母親としての義務をないがしろにした際に、自分を責めてしまうタイプなら、
方法は1つです。
自分にあれこれ指図することは、娘の幸せを否定することなのだと思わせれば良い。
妻の目に、父親だけが娘を心配している場面を映せば、
「自分は娘の幸せはどうでもいいのだろうか?最低な母親ではないのか?」
と考えるようになります。
つまり、夫は極めて効果的な手口を使い、自分の言動は当然のものとして振る舞っていました。
そんな自分に反抗するのは過ちなのだと、妻を納得させていたのです。
自分自身や家族全員に対して、自分勝手な”企て”を合理化させていたんですね。
この合理化によって、妻に「夫のように、娘に同じ愛情を注いでいない」と思い込ませる十分な説得力をもっていました。
まとめ
- 成績優秀な娘に育て、自分のイメージを上げる
- 娘の幸福など本当は望んでいない。ただ単に自分の欲望を満たそうとしているだけ
このことから私達が学べること
1分間だけでよかった。
「自分こそ、問題の張本人なのだ」
こう彼が認めることができていれば、やり直すチャンスがあったかもしれません。
夫というマニピュレーターが支配する家庭では、娘の精神科でのカウセリングでの治療法も失敗でした。
覚えておこう
マニピュレーターを相手にする時は、
Win-Winの関係に持ち込むシナリオを組み立てることが重要となってきます。
決して、彼らに敗北感を抱かせてはならないと肝に銘じておきましょう