一貫性の法則を利用した例
まさに反応が自動的である一貫性が、思考からの退避場所としての役割を果たしているのならば・・・
その無意識な反応を悪用されていても不思議ではないですよね。
特に人々を騙して金儲けをするような悪徳業者にとっては、
一貫性を保とうとする私たちのこの傾向は、まさにお金を掘り起こすかのように利用されてしまう可能性があります。
その為こちらは、
「うわ、やられた・・・!」と気付けることがほとんどありません。
例を見ていきましょう。
一貫性の法則を利用した例
とあるおもちゃ販売店は頭を抱えていました。
おもちゃの売り上げが上がるのは、クリスマス直前とその最中なのですが、その後はおもちゃの売り上げが急激に下がってしまうのです。
お父さん・お母さんは、おもちゃの為の予算を既に使い果たしてしまっているので、当然と言えば当然ですね。
仮に子供が親に、「もっとおもちゃ欲しい!」とねだっても、中々買ってはもらえないはず。
なので、これではおもちゃ販売店は困ってしまいます。
ではどうすれば、親がクリスマス後も子供におもちゃを買ってくれるようになるのか?
ついにこのおもちゃ販売店は、ある解決策を見つけたようです。
その内容は、
・まずクリスマス前に、魅力的で子供が欲しがる特定のおもちゃのCMを流します。
・次にそれを見た子供が、親に買ってもらう約束を取り付けます。
・しかしおもちゃ販売店は、そのおもちゃを少ししか卸しません。
・その為、大半の親はそのおもちゃを子供に買ってあげられない。
なので、他のおもちゃを買わざるを得なくなります。
・もちろんおもちゃ販売店は、代用となるおもちゃを沢山卸しておく。
・そしてクリスマス終わり、もう一度その特定のおもちゃのCMを流します。
それを見た子供たちは、前以上にそのおもちゃが欲しくなる。
・子供は親の元へ駆け寄るが、親は首を中々縦には振りません。
・そして子供は言います。
「買ってくれるって約束したじゃん!」と。
さてこうなってしまうと、
大半の親は自分の言葉を裏切りたくないからと、重い足を引きずりながらおもちゃ販売店へと向かってしまうでしょう。
つまりおもちゃ販売店は、
クリスマス最中に求めていたおもちゃが売り切れていたときに、親が子供に放つであろう、
「もしも今買えなくても、そのうちきっと買ってあげるから・・・」
という、まさに一貫性を保とうとする傾向を利用しています。