人生 心理学

誰かに騙されたくないのなら、考える習慣をつけるべき

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権力ある者に服従という動機で、何らかの行動をしてしまうことってよくありますよね。
まぁそれもそのはずで、

多くの人は小さいころから両親に「適切な権威に従うのは正しく、従わないのは間違いだ」と教育されてきているはずです。

 

参考

子供ならば、
家でのしつけだったり、童話の中に盛り込まれていたり、学校で先生から教えられていたり。

大人ならば、
法律、軍隊、政治システムなど。

 

強力な動機を目の当たりすると、「本来ならその動機にはそれなりの存在理由がある」と考えるのが普通ですよね。

私たちは、権威のある人から命令を受けたとき「従うか?拒否するか?」と、そこまで悩むことはほぼありません。
ほとんどの場合、何も考えずに「権力ある人からの命令だ→じゃあ従おう」と服従するはずです。

成功者からの助言も同じで、
どうしたら成功するのか?という状況下で受ける成功者からのアドバイスは、
「これから自分はどのように行動するべきか?」を決定する為の思考の近道を提供してくれます。
なので、「彼が言うのだからとにかくやってみよう!」となります。

 

ある程度の地位に居る人は、普通はそれだけ情報や権力をもっているワケです。
なので、きちんと確立された権威者の意向に従うのは理に適っていると言えます。

が、問題なのは、これが理に適い過ぎているです。
その為私たちは、全く理屈に合わないような場合でも、思わず権威者に従ってしまうことがあります。

ココに注意

「この人に従えば報われる!」ことを知った途端・・・
人は服従の恩恵と呪いを受けるのです。

確かに適切な行動を取っていることもあるでしょう。

だけど正直、何も考えてなどいないはずです。
つまり私たちはこういう場合、ただ単に反応をしているだけなのです。

こう考えると、

明らかに不適切な行動をとってしまう可能性がいつ出てきてもおかしくはないことがお分かり頂けるはず。

 

 

 

服従が続くと、権威者の判断に疑問を思うことをしなくなる。
何故なら正当な権威者の命令だから。
だから下の者は考えることをやめる。
あとはただ何も考えずに、随時反応していくだけ・・・

 

注意しなければならないのは、
正当な権威者の発言が「適切なのか?」「不適切なのか?」は、状況によって変わってくることです。

「この人の言うことは正しい」ではなくて、
「こういう状況の場合は、この人の言うことは適切」。
これをしっかり思い出しましょう。

 

 

こうした

考えなしのやり方でいつも行動していると、いずれそれを悪用して人を騙す輩の標的になることは明白です。

 

 

何故なら本当の詐欺の名人は、権威を示して相手を丸め込もうとするからです。
例えば肩書き、服装、装飾品で自分を包み込みます。

 

そして「カモ」となりそうな人を見つけると、
「私の隣に居るのはあの有名大学の医師だ。ひざまずくがいい」などと自己紹介する。
これと同じような手口が大好きなのです。

このように、

自分を飾ると相手からの承諾が格段に得やすくなることを彼らはしっかり理解しています。
是非覚えておいてください。

 

 

肩書きに隠されている力を知ろう

『肩書き』は本当に厄介で強力である

 

肩書きが何故厄介なのかというと、
相手の行動は、
話の内容ではなく、肩書きによって大きく影響されてしまうからです。

 

ある有名大学の教授の話が良い例です。

彼はよく見知らぬ人とバーでちょっとした会話を楽しむそうです。
そして彼は、教授の肩書きは決して明かそうとはしないようにしています。

何故ならその途端、会話の流れが変化するからだそうです。

相手はさっきまで愉快な会話でガンガン冗談を言うような人だったのに、
自分の職業を明かした途端、突然お上品でただただ頷くばかりの退屈な相手に変化するのです。
もはや相手は改まってしまい、常に正しい文法と言葉遣いに意識しながら話を合わせてくれるようになってしまいました。

「今まで一緒に話していたのと同じ人間なのに」と彼は言います。
なので、いつも職業は偽って会話を楽しむようにしているそうです。

偽らなければならないこと自体、権威というものがいかに強力で相手の行動に影響を及ぼしてしまうかが分かりますね。

 

そもそも肩書きを獲得するのは非常に難しいこと。
その為には、何かに対して何年ものめり込み、結果を上げる必要があります。

 

 

肩書きの注意ポイント

しかし肩書きの厄介なところは、そうした努力を一切しなくてもただの「ラベル付け」だけで相手にYESを引き出すことができる点です。
即ち、もっていないはずの肩書きをもっていないように見せかけることもできるということ。

 

 

肩書きや権威を引き出してしまう要因とは何か知っておこう

まずは身長・服装・装飾品に注意しよう

 

①身長

例えば、
詐欺師は身長が平均的だろうが高かろうが、大抵の場合は底上げした靴を履くとされています。
また仕事では、身長が高い人は責任のある地位に就きやすいとされます。

これは、
人は身長の高い人を見ると、何故か相手に大きな「期待」をしてしまう。
そんな傾向を利用しているからです。

 

 

②服装

服装も無意識な服従を引き出す権威の1つになります。
そして何より、服装はあらゆる点で偽造ができるのがとても厄介。

詐欺師の多くは、服装の手口をよく使います。

医者を演じるときは「白系」
警察なら「青系」など。

その場面で自分が最も有利になるような色の服で身を包むのです。
まさにカメレオンですね。

しかし権威というのは必ずしも服装で決まるワケではないはずです。
見た目がどれだけ権威のある服装でも、中身がそれに伴っているかどうかはまた別問題です。
・・・まぁこの事実に気付いたときには、既に手遅れであることは確実でしょうが。

つまり、
本物そっくりの服装であれば、人々をまるで催眠術にかけさせるかのように権威に服従させることもできるということです。

 

 

③装飾品

スタイルの良い高価な服は、自分の地位の高さを周りに引け散らかすにはとてもうってつけ。
これは宝石も、そして自動車でも同じことが言えるでしょう。

多くの方は共感してくれると思いますが、私たちは高級車に対しては特別扱いしてしまう傾向があります。

例えば信号待ちをしているときに、信号が赤から青に変わっても前の車が中々発進しない状況をイメージしてみましょう。

前の車が一般的な車の場合は、比較的早くクラクションを鳴らしてしまうかと思います。

しかし新型の高級車だった場合はどうでしょうか?
多くの方は、クラクションを鳴らすのを躊躇って、前の車が動き出すまでじっと待つはずです。

 

 

Tetoから一言

「気が付いたら騙されてた・・・。」というのは笑えないお話なので、権威が持っている部分の悪い要素だけを取り除く心構えを学ぶ必要があるということですね。

 

権威に対する人々の誤解

権威の力を甘く見過ぎている私達
且つ誤った認識もしていることに気付く

 

とにかく一番何が悪いかって、権威の力を舐めてしまっていることだと思います。

 

「権威者からの権威に気をつけるぞ!」などと、意識して日々を過ごされている人はまずいないでしょうからね。

 

注意点

権威から身を守る為にしっかり肝に銘じておくべきことは、

権威の力を十分に意識すること
権威は簡単に捏造することができる

この2つになります。

権威を利用して、私達に何かをさせようとしていることに気付いてしまえば、きちんと身を守れるはずです。

 

 

 

 

 

Let's Try!

 

 

「・・・やってみよう?

ふざけるな!」

 

一見単純な話に思えます。
しかし、権威が及ぼすものは複雑です。

何故なら多くの人は、権威に対して全くと言って良いほど抵抗しようとは思わないから。

 

 

権威のある人が話している事柄、いわゆるアドバイスには素晴らしいヒントが隠されているもの。
つまり権威者は、言ってしまえば私達にとって専門家なのです。

(確かに調べてみれば、権威=専門家と定義づけられている・・・)

 

専門家のアドバイスを無視して、知識の乏しい自分の判断に頼るのは賢い選択だとは言いがたい。
とはいえ、あらゆる場面で権威者のアドバイスを信頼するのも愚かな結果を招いてしまう・・・。

 

ポイント

以上のことから、私たちが目指すべきゴールは
権威者に従うべきときと、そうすべきでないときの区別をつけられるようになることです。

 

 

では、権威者の指示に従うべきか否かをしっかり考えて決められるようになるには、どうすればいいのでしょうか?

 

 

 

このとき役立つのは、まず自身に「この権威者は本当に専門家なのだろうか?」と問いかけてみることです。

 

これにより私たちは、
「権威者としての資格があるのか?」と、その証拠を探し始めるのです。
証拠に目を向けるということは、即ち考えるということです。これにより「単に反応しているだけ」な行動から逃れることができます。

この質問は本当に価値があるんです。

 

私達は、権威からの圧力と現代の忙しい生活に追われ、区別する大切さをとかく忘れてしまいがち。
なので、意味のない肩書きに注意が向けられないようにすれば、騙される確率は大きく減ってくるはずです。

 

 

さて、まだ自問自答は続きます。

次に自分に問いかけるのは、「この人はどの程度誠実だろうか?」です。

即ち、自分が求めている情報をどれくらい正確に教えてくれるのだろう?と意識するのです。

 

仮に相手が「この人は俺が求めていた専門家だったぜ!」と判断できたとしても、油断だけはしないように。

 

 

確かに権威者は多くの情報を持っています。
だけど、それを正直に教えてくれるかどうかは相手次第なんですよね。

ですので、相手の誠実さもしっかり考慮しながら話を聞かなければなりません。

 

 

例をみてみましょう。

 

①誠実な人?

よくセールスで、

「確かにこの商品は他社と比べると性能は劣る部分があります。しかし、お客様のアフターフォローは他社よりもしっかりしています!」
「確かにこの宝石は高値で手が出にくいものです。しかし、あなたにはこれを身につける価値があります!」

などと言われます。

こういう戦略が頻繁に用いられる理由としては、些細な欠点を認めて自らの誠実さを印象づけ、相手からより強い信頼を勝ち取ろうとしているから。

 

②誠実な人?

他にも、
「上司からはこの商品を勧めてこいと言われています。だけどここだけの話、正直この商品はお勧めできません。
その代わり、○○や△△というものがあるのですが、私は個人的にこちらを皆様にお勧めしております。」
と言われることもあります。

この策略に含まれているのは、
仮にお客さんが商品を買わなかったとしても、「自分に役立つ貴重な情報を与えてくれた!」と感じさせることができる点です。
そうなると、返報性のルールが働いてしまいます。(返報性のルールの記事はコチラ)

どの商品が本当に優れているのかをきちんと知っていることをアピールできれば、権威者だと相手に認めさせることができることも。

更に押し売りもあまりせずに、お客様第一で考えてくれるセールスマンなら、
「信頼できる情報提供者に違いない!」とみなされ、交渉がスムーズにいくのです。

 

 

 

権力・肩書きについてのまとめ

  • 本当に誠実な人だったら、喜んで相手の助言を聞けばいい。
    だけど、誠実(笑)な専門家に出会ってしまったらとても面倒臭くなります。こういうときは、「この人は自分の求める答えを教えてくれるか?」を問いかけることを忘れずに。
  • 人からアドバイスを受けるときは、必ず自分の頭で考える癖をつけましょう。
  • 考えないと騙されます!