本記事の内容
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1地位が高くなると思い込みに振り回される
私達は権力を手にすると、相手に関心を向ける努力をしなくなる。
地位が高くなると思い込みに支配されてしまう
私達が物事をよく思い込んでしまうのは、人間には「認識する」という行いの負担を減らしたいという欲求があるからなんですね。
すると当然、特に相手に対する認識を最小限に済ませようとする人も判明してくるはずです。
そう、ある程度の力を持ったとき、より一層人はこの傾向が強くなっていくことが分かります。
私たちは、相手を「自分より弱い立場だ」と見なした瞬間、
相手に対する認識を最小限に収めようとする心理が、無意識に強く働いてしまうようです。
権力を得ると偉そうになるのは
人が力を得たとき、無意識に力のない人との間に心理的距離を保とうとする
その為、「細かい微妙な部分まで読み取らなくてもいいよね」と、意図的に相手に関心を向けなくなってしまいます。
つまり、相手の気持ちを読み取る努力を怠ってしまうのです。
面接で例える
よく聞くのが、「就職活動の面接をやるのはほぼ意味がない。あんな短時間で求職者のことなど何も分からない」というもの。
今までの話から考えれば、これはある意味正しいと言えますよね。
求職者を選ぶ立場にある人は、当然求職者から見れば力があります。
仮に面接官が、
「相手よりも自分は力があるから思い込みに支配されているかも。だから情報1つ1つを慎重に、変に偏った情報だけに心が奪われないように気をつけよう!!」
と、ずっと意識していられる自信があるのなら何も問題はないでしょう。
しかし面接官は応募書類を見て、例えば
「前職は短期間でやめてるな・・・」などと感じた瞬間、ほぼ全ての人がネガティブな思い込みに支配されてしまうはず。
それに面接官は、辞めた理由を確実に聞く必要があるでしょうし、
「おどおどしているから、この性格が何か関係あるのだろうか・・・?」などと推測しながら話を聞かなければなりません。
このことから考えると、「面接官はこんな短時間で自分の何が分かるんだろ?」と思ってしまうのも頷けますよね。
面接官が、終始思い込みをせずに相手の正確な特徴を理解するなど、無理な話。
権力を持った人の思い込みは時には役に立つ
ある程度力を持つと、人はより一層相手の性格を思い込む傾向が強くなることは分かりました。
とはいえ、「力をもつ人の思い込みは全て間違いである」ことではありません。
ある程度権力を持っているからこそ、より的確に認識が行えることも、状況次第では起こります。
社内のチームリーダーを例に
例えば、
社内でチームを組んでいるときに班のリーダーは、課せられた目標の達成の為に、メンバーのモチベーションを高めようと相手に関する情報を見極ようと努力することがあります。
権力を持った人は、必ずどこかで相手の印象を掴む必要がある状況に陥ります。
そういう場合は、特に相手に対する認知をある程度正確に行おうと努力するのです。
ココを押さえておくこと
つまり、
上司(権威をもった人)が本当に私たちに関心を抱くのは、そうすることが自分の目標達成の為に役立つときがほとんどということですね。
悲しい話、上司は私たちに
「この部下はどれくらい有用なのだろう?」
「この部下に何ができるのか?」
「自分の利益にどれほど関われるのか?」
などと、「部下を時間と精神的エネルギーを費やして知る投資をすることで、どんな見返りが望めるのか?」
上司にとってはそれが全てなのです。
ではもしも、会社の上司から既に「俺に利益を与えないヤツだ」と思い込まれてしまわれているのなら、もう打つ手はないのかと言うと・・・、
いいえ。そんなことはありません。
上司にちゃんと自分を見てもらおう
もしもあなたが上司から有用な存在だと見られ、且つ「しっかりと自分を見て欲しい」と願うのであれば・・・。
「上司のあの人が、今どんな願望を持って、どんな問題を抱えているか?」を知ることが重要です。
つまり、
「どこで自分の助けを必要としているのか?」
「目標の負担を軽減させる為に自分に何ができるのか?」
「上司の仕事で順調にいっていないのは何か?」
をしっかりと考えて把握してあげるということですね。
一番手っ取り早いのは、上司が助けを必要としているときに、「手伝いましょうか?」と言ってあげることでしょう。
すると、上司のあなたに対する認識は大きく変わります。
他にも、仕事を頼まれる前に「この仕事やりましょうか?」と言うのもいいでしょう。
これを覚えておきましょう!
私達の上司は確かに、人を見下すようなネガティブ発言が多いでしょう。
だけどそれは、
人間は人の上に立つと、どうしても利益だけを追い求めるようになってしまうがゆえなのです。
ですので、
「上司は多くの責任を担っていて、多くの仕事を抱えているものだ」くらいは理解してあげることも必要です。
(だからといって、部下を傷つける発言は許せるものではないのですが。)
しかし勘違いしないで頂きたいのは、
「力がある人に分かりやすく近寄って、自分の長所をアピールしましょう」ではありません。
相手の自分に対する認識を改めさせたいのなら、
「どうしたら自分は相手の役に立てるだろう?」と常に意識しておくことが重要になります。
本記事のまとめ
- 上司に対し、「自分の良いところをしっかり見てほしい」と思ったときは、真っ先に上司の状況を把握しましょう
- 上司が自分に求めているもの・・・。それを理解して応えてあげれば、間違いなく感謝されます。感謝されたとき、必ず上司は私達を見ようとするでしょう。